インドにおける現地法人の特徴について

法務

■現地法人の特徴
インド会社法において会社は、株式有限責任会社(Company Limited by Shares)、保証有限責任会社(Company Limited by Guarantee)、無限責任会社(Unlimited Company)の3 種類に大別されます(12 条2 項(22)(21)(92))。

株式有限責任会社は、株主がその有する株式の引受価額を限度とする責任を負うのみの会社形態です。インドにおいても最もポピュラーな形態の会社であり、日本の会社法上の「株式会社」に相当します。
保証有限責任会社は、株主の責任が基本定款(MOA:Memorandum of Association)にあらかじめ定めた金額に限定される会社形態です。債権者が株主に直接責任を追及できるのは会社が解散、清算した場合に限られているのが特徴的で、株主が責任を負う金額も基本定款にその上限が定められています。
無限責任会社とは、会社債権者に対して会社とともに無限連帯責任を負う会社形態のことです。日本の会社法上「合名会社」に相当します。
日系企業がインドで会社を設立する場合、そのほとんどが株式有限責任会社を採用しますので、ここでは株式有限責任会社について取上げます。

2013 年会社法によると、株式有限責任会社は、払込資本金額や株主数、定款の規定に応じて、公開会社(Public Company)と非公開会社(Private Company)の2 つに分かれています。
2 0 1 3 年会社法では、1 2 2 条において株主が自然人1 名のみとする「一人会社(One Person Company)」が新たに規定されました。一部の財務諸表提出義務の免除や、定時株主総会の開催義務の免除など、一般の非公開会社と比較して義務が軽減されています。しかしながら、2 0 1 4 年会社規則2 章3 条において、「インド国籍および居住者の自然人のみが一人会社を設立できる」との記載があり、日本人や日系企業を含む外国投資家は資格要件を満たすことができません。


非公開会社、公開会社のどちらを選択するかは、基本的には発起人の意思に任されますが、銀行や保険業など一定の業種は公開会社として設立しなければなりません。インドでは、商号(社名)を見ると、
その会社が公開会社か非公開会社か一人会社か区別することができます。公開会社には「Limited」、非公開会社には「Private Limited」、一人会社には「OPC」が社名の最後に付与されます。

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