インド・ムンバイで英語は通じるのか?

こんにちは。ムンバイの東海林舞(トウカイリンマイ)です。

 

最近はムンバイでの生活にも慣れ、休日はリキシャ(トゥクトゥク)を使って隣町に買い物に行ったり、インド人の友人に会いに行ったりしています。ムンバイのリキシャは便利かつ安心です。なぜなら街や、アパート集落に行けばすぐに見つかるし、値段は初乗り共通18ルピー(30円くらい)から走行距離に応じて上がっていく仕組みだからです。(全車にメーターがついている)しかし、しいて1つ欠点を挙げるとするのならば、リキシャの運転手たちは英語ほとんど通じないことです。今回はインドでどこまで英語が通じるのかをお伝えします。

 

みなさんは中高の世界史で英国植民地時代のインドについて勉強してきたり、日本にいるインド人と会話をしたりして、「インド人はかなりレベルの高い英語が話せる」というイメージをお持ちではないでしょうか。確かに、日本人よりもはるかに多くの人が英語での日常会話することが可能ですし、大学生や会社員は不自由なく英語で専門的な会話ができます。かなり強いなまりがあるとはいえ、彼らは流暢に英語を話している印象です。ところが、実際にインドで生活をしてみると、地域、職業、カーストによっては全く英語を話せない、理解できない人たちも多くいることがわかりました。

 

英語のレベルは人それぞれですので、職業で一括りにしてしまうのはよくないですが、インド最大の経済都市ムンバイの英語事情をざっくり把握するために、職業と英語理解度を以下のように分けてみました。

 

  • オフィスワーカー、大学生、ミドルクラス以上

高等教育を受けたインド人たちは、英語での読み書き、コミュニケーションは問題なくできます。小さい頃から私立学校で英語教育を受けてきた人たちも多くいます。

 

  • 警備員、大型スーパーやモールの店員、大型マーケットの店員

日常会話はできるので、何か質問をしたり値段交渉をしたりすることができます。特に若者、商売人は、英語での簡単なコミュニケーションに慣れている人が多いです。

 

  • リキシャのドライバー、デリバリーマン、ローカルショップの店員、ハウスキーパー

彼らは多くの確率で英語が話せないどころか、簡単な英語でも理解するのが難しく、英語教育を一切受けていないのではないかと思います。中には母語のヒンディー語さえも読み書きもできない人も少なくありません。

 

このようにざっくりと分けてみましたが、1と2に当てはまる人、いわゆる英語がある程度話せる人はインド国民の約10%(約1億2500万人)と言われています。

 

そもそもインド全土の識字率は73%、初等教育を修了した生徒のうち中等教育に進学できる生徒は3割と言われています。経済的・社会的理由で初等教育にアクセスできない子供、ドロップアウトしてしまう子供もいるので、そういった中で育ってきた人も多いということは覚えておかなければなりません。

 

そのような現状、データから分析できることは、次の3つです。まず1つ目は、資格のあるインド人、高等教育を受けたインド人は間違いなく英語が流暢に話せます。彼らをマネージャーにすれば、日本人の指示も直接伝わります。2つ目は、事務所の管理、日本人駐在員の生活のサポートを行う人材として必要なインド人掃除夫、お茶くみ係、ドライバー、コック、メイドは、必ずしも英語が話せるわけではないので、英語が話せるインド人にマネジメント、通訳をお願いしなければなりません。3つ目は、日系企業でマネージャー、エキスパートとして働くインド人は、インドの中では一握りのエリート層であるということです。多少パフォーマンスが悪くても上から叱りつけるのではなく、相手の頑張りを尊重しながら教育していくことが大切です。

 

いかがですか?インドの英語事情はこのようになります。これはあくまでも私の印象なので、他州、他コミュニティーでは大きく異なると思います。

 

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Tokyo Consulting Firm Private Limited
東京コンサルティングファーム・ムンバイ拠点
東海林 舞(トウカイリン マイ)

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