【ニュースレター 特別編】私ならこうする! 就業規則無料レビュー

いつもお世話になっております。

Tokyo Consulting Firm Pvt. Ltd.でございます。

日頃ご愛顧頂いている皆様へ有益な情報をお届けしたいと思います。

 

今月は「【特別編】私ならこうする! 就業規則無料レビュー 」を配信させて頂きます。

 

インドビジネスにおいて、拠点長の頭を悩ます問題のベスト3には、インド人スタッフのマネジメントが入っていることかと存じます。

勤続年数と比例して毎年上昇する人件費、一方その給与とパフォーマンスが連動していないスタッフ、いくら改善を促していても一向に改善されないスタッフ、インド政府からの頻繁な改正への対応等、悩みは尽きないことかと思います。

しかし、こういった従業員に対して、あるべき姿に戻すため、減給を考えたり、解雇を考えたりするためには、正当な就業規則や評価制の整備が欠かせません。

そこで、本日は、弊社ニュースレター「私ならこうする!」シリーズの特別編として、

インドにおける就業規則に関わる規定についてお伝えしたいと思います。

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Topics

  1. インドの労務最新動向について 
  2. 就業規則の策定について
  3. 就業規則策定の流れ
  4. なぜ、会計事務所が人事評価制度に取り組むのか
  5. 就業規則無料レビューのご案内

 

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1 【インドの労務最新動向について】

 

ご存知の通り、英国からの独立後、社会主義政策を推し進めたため、労働者を保護する法律が数多く存在します。また、労務関連の改正も頻繁に行われるため、従業員の適切な保護/マネジメントのためには、労務改正の動向に注視することが不可欠となります。

以下にて、インドの労務最新動向について、取り上げたいと思います。

 

[2019年2月予算案より]

 

  • 国家年金制度(National Pension System、以下「NPS」)における政府負担額の増加

 

NPS における保険料の財源を拠出するため、政府負担額が従業員の基本給の 14%に増加する提案がされました。一方、従業員負担額は従来通り 10%に据え置く見込みです。

 

  • 非組織部門就労者に対する賞与額増加

 

非組織部門就労者が受給する賞与の下限額を 3,500 ルピーから、7,000 ルピーへ、上限額を 1万ルピーから 2 万 1,000 ルピーへ上方修正する提案がされました。

 

  • 非課税の退職金支給額の増加

 

非課税となる退職金支給額の上限が 100 万ルピーから 200 万ルピーに増加する提案がされました。

 

  • 従業員国家保険法(The Employees’ State Insurance、以下「ESI」)適用者の拡大

 

従来、労働者数 10 人以上の工場あるいは、労働者数 20 人以上のその他施設、事務所に勤務する月間給与が 1 万 5,000 ルピー以下の従業員が同法の対象でしたが、給与要件部分を 2 万1,000 ルピーに増加する意向が発表されました。

 

 

  • 従業員退職準備基金(The Employees’ Provident Fund、EPF)及び従業員年金スキーム(The Employees’ Pension Scheme、EPS)における死亡時手当額増加

 

従業員死亡時の支給手当額を 25 万ルピーから 60 万ルピーに増加する提案がされました。

 

[従業員国家保険法(ESI)の改正動向]

 

ESIと呼ばれる従業員国家保険法は労働法規の中に含まれる制度です。
労働法規には、大きく分けて5つあり、就業時間、試用期間、給与支給日、休日・祝日、有給休暇となります。

ESIとは、従業員が10名以上の会社が対象になる保険制度です。また、当保険の対象者も定められており、月額給与が21,000 INR以下の従業員のみとなっております(前述)。保険内容については、一時的(病気や出産、労働災害による身体障害)や恒久的(労働災害による身体障害)な労働災害等をカバーする保険制度となっております。
<注> 掛金合計(従業員負担+会社負担)


2019年6月13日に、中央政府は、ESIC(Employees’ State Insurance Corporation)との協議の後、2019年従業員国家保険(中央)改正規則を通知しました。
 
ESIでは、同法に基づき被保険者に医療、現金給付、出産、障害および扶養手当を提供しています。ESIに基づいて提供される給付金は、雇用主および従業員による給付金によって賄われており、労働省を通じてインド政府がESIに基づいて拠出率を決定します。

今回、雇用主の拠出率を4.75%から4%に、また従業員の拠出率を1.75%から1%に引き下げるという改定率を通知しました。変更および改訂された拠出率は、2019年7月1日に適用されるものとなっています。改定された割合は以下のとおりです。

 

      既存率(%) 提案率(%) 改定率(%)
雇用主の拠出率 4.75 4.00 3.25
従業員の拠出率 1.75 1.00 0.75
総ESIの貢献 6.50 5.00 4.00

 


[被雇用者積立基金(EPF)の改正動向]

 

インドにおける社会保障制度の一つである被雇用者積立基金(EPF)に新たなルールが加わりました。
おさらいになりますが、被雇用者積立基金では、従業員の毎月の基本給に物価上昇手当、残留手当を加えた金額の12%の額を会社側が給料控除し、EPFOへ掛け金として支払うことで、当該従業員が退職した後の生活保障のための給付金の積立として機能します。

また、上記に加え、毎月の基本給に物価上昇手当、残留手当を加えた金額の3.67%は、
会社側負担として、EPFOへ積み立てられます。
今回の改正では、1か月以上の期間、継続的な雇用が見られない(失業など)場合、
払戻不可の前払金として積立金残高の75%までを受領することが可能となり、
失業者側の救済策となるような改正が発表されております。

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2 【就業規則の策定について】

 

インドでは、雇用者と被雇用者間で書面による雇用契約書、又は就業規則を策定することが一般的となっております。

法令上の策定義務としては、産業雇用(就業規則)法により、「100名以上(州による)のワークマンを雇用している工場等産業施設」に限定されており、該当する企業のみ労働局に届け出ることとなっております。

しかしながら、100名未満の企業であっても書面により雇用関係を明確に定めておくことは、労使関係を円滑にするために、不可欠となっております。また、従業員との労使紛争のリスク低減のためにも非常に重要な点となります。

実務上は、従業員に個別に雇用契約書を準備することが難しい場合がほとんどとなるため、

共通の労働条件を就業規則として策定し、従業員に周知させることが一般的となっております。

また、策定義務に該当しない小規模な企業についても、同様に就業規則に定めるべき労働条件や服務規定等を雇用契約書として書面で準備することは、同様に不可欠となります。

法令上の規定がない場合であっても、将来起こりえる労務リスクを鑑みて、上記のような対応を進めていくことが望ましいでしょう。

 

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3 【就業規則作成の流れ】

 

就業規則作成は、以下のような流れで進めていくのが望ましいでしょう。

 

導入

定義や用語、目的などに関して

就業関係

採用や昇格、降格などに関して

就業時間

出勤簿、欠勤、時間外出勤などに関して

休暇

有給休暇やその他特別休暇などに関して

手当・福利厚生、

給与制度および手当などに関して

処罰

従業員の義務及び処罰などに関して

雇用解除

一般定義、雇用解除の条件、退職金などについて

結び

苦情申したて、有効期限、規定と締結などに関して

 

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4 【なぜ、会計事務所が人事評価制度に取り組むのか】

 

会計事務所母体のコンサルティングファームである弊社がなぜ人事評価制度を重要視するのか? まず初めに、弊社は人事評価制度を経営のマネジメントシステムだと捉えています。評価制度は人事考課による昇給率決定のツールというイメージが強いですが、弊社としては、あくまで海外拠点のビジョンの達成や業績の向上を第一目的としております。また、それと併せて、ローカライゼーションの達成、ミドルマネジメントの育成、業務標準化等にも機能するものとなっております。

 

また、弊社には「すべての経営課題は、数字に現れる」という信念があります。数値目標管理のツールとして、バランススコアカードというコンセプトがありますが、これは企業活動を財務の視点とその他3つの視点(顧客の視点、プロセスの視点、組織・人の視点)から捉える考え方です。その他3つの視点が原因となり、財務の視点、すなわち企業活動の結果となります。よって、どこに手を打つかという戦略は、財務の視点を見ればわかるので、「すべての経営課題は、数字に現れる」ことになります。しかし、「ビジネスは人」といわれるように、経営のあらゆる諸問題は最終的に組織・人の視点に集約されることとなります。

拠点長側で明らかになった次なる打ち手を実行するのは、社員一人一人に他ならないため、

人事評価制度、賃金規定、就業規則から手を入れることが重要となります。

弊社では、経営財務アドバイザリーと評価制度を統合させたクラウド型人事評価制度「人事の舞台」の導入、運用サービスを行っており、発展途上国を中心に好評いただいております。

 

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5 【就業規則無料レビューのご案内】

 

多くの日系企業様のご要望に応じまして、弊社にて就業規則/人事評価制度の無料レビューサービスをスタートいたしました。

前述いたしましたように、健全な組織運営のためには、正当な就業規則や賃金規定、

それに連動した人事評価制度の確率が重要となります。

 

文化の違い、言語の違い、宗教の違いなど、これらのコミュニケーションバリアの元となる要素に振り回され、いつまでもローカライゼーションが進まない、といった企業様は一度自社の就業規則を見直す、また未作成の場合は基礎から作りこんでみてはいかがでしょうか。

ご希望の場合は、弊社にて貴社の就業規則の改善点や修正点を無料でレビューさせていただきます。

 

弊社では、以下のような人事労務サービスを提供しております。

  • 雇用契約書作成/見直し
  • 就業規則作成/見直し
  • 人材紹介
  • 給与明細書作成
  • PAN・FRRO登録代行
  • 人事評価制度構築/導入サポート
  • 法務に関するアドバイザリー
  • 労働紛争の際のサポート

 

以上が弊社の主な人事労務サービスとなっておりますが、ご相談いただければお客様のご要望に合わせたサポートが可能でございます。人事労務のお困りごとについては、弊社の弁護士が対応させて頂きますので、お気軽にご相談くださいませ。

 

以上

 

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

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