皆様、こんにちは
Tokyo Consulting Firm Private Limited(India)です。
本日も、前回に引き続きインドの解雇制度について見ていきます。
今回は一時解雇(layoff)についてお話します。
一時解雇とは、その名の通り、労働者を一時的に休業させることを意味し、これまでにお伝えした普通解雇と懲戒解雇とはその点で異なります。
そのため、一時的な雇用の停止のため、雇用関係は継続する点に留意する必要があります。
また、原材料の不足、機械設備の故障、自然災害等の会社側に帰する理由によって行う点で普通解雇とは類似した性質を持ちます。
一時解雇を行う上では、従業員数によって異なる規制が存在する点については留意が必要です。下記に、従業員数毎の留意点について記載します。
【年間平均で社員100名以上の会社】
- 事前に政府の許可が必要(電力及び自然災害に起因する理由を除く)
- 通知期間は3ヵ月
- 1 年以上勤務している労働者をレイオフする場合には、雇用関係の停止中、雇用主は原則として補償金の支払義務を負う (補償金=基礎賃金及び物価調整額×50%)
【月間で社員50人以上、年間100人未満の会社】
- レイオフをする7 日以上前に事前に労働者に通告
- 1 年以上勤務している労働者をレイオフする場合には、雇用関係の停止中、雇用主は原則として補償金を支払う義務を負う
(補償金=基礎賃金及び物価調整額×50%)
【月間で50名以下】
- 上記で述べた政府の認可や通知は不要、一時解雇補償金も法律上は不要
このように、一時解雇を行う上では政府の認可や通知又は解雇補償金といった法律上の留意点と、従業員数によって判断する必要があります。
実務上は、従業員への説明やレター等の対応が追加で必要になる可能性が高いため、事前に専門家に相談されることを推奨します。
インドにおける解雇制度については、今回のブログで最終回とします。
これまでインドの解雇制度における特徴等について見てきましたが、インドの労働法は労働者寄りに構成されている理解できると思います。
インドの労働法は、新規進出企業がインド市場に進出する上での障壁の1つとなっているため、これまで労働法改革を求める声が多くあり、それに対応していくという政府の意見もありましたが、なかなか実行には移されないという状況が継続していました。
しかし、最近になり、この労働法を改革する動きが各州政府によって活発になってきています。
もちろん、州法と連邦法の両方を考慮する必要があるため、州政府のみで進めていける話ではありませんが、少しずつ前進している兆候が見え始めています。
こういった点でアップデートがあり次第、ブログやニュースレターで配信していきます。
今週は以上となります。
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東京コンサルティングファーム インド・デリー拠点
田本 貴稔
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