インドの間接税(VAT、ST)

税務

みなさん、どうもこんにちは。増田です。
インドに来てから、早いもので12月で約5か月が経ちました。

先日、机の掃除をしていたら、今まで私がため込んでいた領収書の束が見つかりました。
思えば、インドに来てから必ず領収書は取るようにしており、もらったものは保管していたのですが……。実は、今までもらった領収書の中身をチェックしたことはほとんどありませんでした。

整理と称して溜まった領収書を処分しながら見てみると、思い出と共に「あれ??」と思う領収書が多々ありました(日本でもそうでしたが、とりあえずもらいはしても、取っておく目的が無ければ、あとはゴミになるだけですので)。

通常、日本でモノを買うorサービス提供を受ければ「消費税」が5%課税される、というのは当たり前の話で、これが海外になると、「付加価値税」「サービス税」といった言葉に代わり、消費税と同じように税金が課されます。

インドでは、モノを買えば「付加価値税(VAT:Value Added Tax)」が課税され、サービスの提供を受ければ、「サービス税(ST:service tax)」が課税されます。また、州をまたいだ物品の販売に対しては、VATの代わりに「中央売上税(CST:Central Sales Tax)」が課税されます(今回は、個人をテーマに書きたいと思いますので、VATとSTを中心に見ていきます)。
このVATとSTについて、大きな違いは、課税される取引の種類はもちろん、VATは州税(州政府が課税権をもつ税金)であり、STは国税(国が課税権を持つ税金)であり、VATはSTと異なり各州において適用される税率が異なることがあるので注意が必要です。また、事業者について、STの登録申請については国が管轄しているため、1回の登録で済みますが、VATの登録を行う際には、VATが発生する州(州内での売買取引が発生する州)のそれぞれにおいて登録をする必要があるため、拠点が複数所在し州内取引が多い会社などは、その手間だけでかなりの負担を要することになります。

さて、実際にインドでどのように間接税が課税されているかを、日常生活で見ていきたいと思います。
例えば、スーパーなどで買い物をすると、日本では販売価格に5%の消費税が一律で課税されますが、インドでは基本的に物品の種類に応じたVATが課税されることになります。日本のように税込表示になっていないケースがほとんどで、かつ、物品の種類により税率が異なるので、購入時にいちいちVATを計算することはまず無く、精算時のレシートで実際は確認することになります。
税率の区分としては、だいたい0%、5%、12.5%、20%とあり、生活必需品(水・野菜など)については低税率、逆にぜいたく品(アルコール飲料など)については20%とかなり高い税負担が要求されます。
日本以外の国では、付加価値税の割合が高い国が多く、このように物品に応じた段階税率を採用している国が多々見られます。

お酒の値段が高い、というのは他の国でも良く聞く話ですが、問題は飲食店などでお酒を飲んだ場合です。先日、デリー空港の外にあるバーでワインを2杯飲んだところ、

ワイン(グラス) 400Rs×2=800Rs
Service charge  10% 800Rs×10%=80Rs  小計 880Rs
VAT 20%  880Rs×20%=176Rs
Service tax  12.36% 880Rs×12.36%=108.76Rs(≒109Rs)

というような領収書がきました(もちろん、領収書にはこんな細かい計算は書いていません。税目と税率と税額のみです)。
計算すると、トータル1,165Rsで、その中の税金は285Rsとなり、実際の税負担率は約24%とかなり高い負担になります。

この領収書を見て、みなさんもいくつか疑問に思うところがあると思いますが……
①Service charge?
これは、いわゆる「チップ」と同様の意味合いで、アメリカ、ヨーロッパなどでは通常サービスを受けた際に「チップ」として現金を手渡す習慣がありますが、あまりその習慣が無い国(日本も同じ)では、代わりにService chargeという名目で徴収していることがあります。聞くと、デリー地域では、だいたい0%~10%の間で、店側が決定して徴収しているということです(ホテルなどでは比較的高く、普通のレストランであれば5%程度とか)。

②Service tax?
通常、飲食店に行くと、VATとSTの両方がチャージされます。これは、食材・お酒そのものと調理等・運ぶ、といったサービスが含まれるため、ということですが……。その点、日本は消費税に「販売・サービス」の両方が含まれており、さすがに5%+5%の10%課税となると大クレームに繋がるため、合計約24%という税金に対して、ものすごく割高感を持つことかと思います。

③課税ベースが、なぜService charge 込みの金額?
通常であれば、物品等の本体価格が課税対象となるはずですが……。これは、店側の計算方法によって違うようで、本体価格(ここでは800Rs)に対して税金を課すところもあれば、Service charge込みの金額に対して税金を課すケースもあります。店側からすると、どちらで取っても結局全て州・国に対して払ってしまうため、特に損も得もないと(我々消費者からすれば、込みの金額だと損になりますが……)。

最近は帰宅時間が遅い日が続き、だいぶ自炊の割合が増えてきましたが、インドに来た当初は外食も多く、思えばかなりのお金を使って、高い税金を払ってものだな……と、溜まった領収書を見てしみじみ反省しています(私の自炊の難点は、食材が安いため食事を大量に作って食べてしまう……という点です。インドに来て痩せるはずが、4キロほど太ってしまいました……)。

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