~GSTのケーススタディについて~

税務

皆さん、こんにちは。チェンナイ大好き中村です。

今週はお客様から寄せられたご質問に回答したいと思います。テーマはGSTの課税判定になります。

 

(質問)

当社はインド国外に親会社があり、インド子会社は販売支援という形で業務支援を行っています。販売支援の内容は顧客サーチのみで、親会社からコミッションを受領しています。当スキームでGSTは課税されるのでしょうか。

 

(回答)

この質問はGSTあるあるですね~。それでは早速見ていきましょう。

今回論点になるのが、同スキームが“Export of Service”としてみなされるか否かという点です。

“Export of Service”と認められれば、GST非課税となります。

さて、“Export of Service”は直訳してしまえば「サービスの輸出」になりますが、

定義はsection 2(6) of the IGST Act 2017で下記のように定められています。

 

【一部抜粋】

(6) “export of services” means the supply of any service when,–

 

(i) the supplier of service is located in India;

(ii) the recipient of service is located outside India;

(iii) the place of supply of service is outside India;

(iv) the payment for such service has been received by the supplier of service in convertible foreign exchange; and

(v) the supplier of service and the recipient of service are not merely establishments of a distinct person in accordance with Explanation 1 in section 8;

 

要点をまとめると、

サービス提供側がインド、受領者がインド国外に位置し、提供場所がインド国外であるということです。

 

当ケースでは、提供側がインド子会社、受領側がインド国外の親会社、提供場所がインド国外とみなされるため、Export of Serviceの要件を満たしていますね。

(※なお今回は割愛しますが、サービス提供場所に関しては、Section 13 of the IGST Act 2017にて規定されています)

 

従って、GST非課税という結論に至りますが、

ここで注意点があります。それはGST非課税でも形式的に下記のいずれかを選択しなければならないということです。

 

1. サービス提供者は一旦IGSTを支払い、後に還付する。

2. 保証金(Bond)を支払う。

3. 保証書(Letter of Undertaking)を提出する。

 

上記いずれかの対応を取ることで、最終的にGST非課税とすることが可能になります。

 

なお、“Export of Service”と似たものに“Intermediary Service”という考え方があります。

インド国内のサービス提供者がインド国内の顧客へ直接的にサービスを提供した場合、

“Intermediary Service”と認められ、GSTが課税されてしまいます。

 

従って、当ケースのように、インド国外の親会社に業務支援を行ってコミッションセールスを受領している場合は、サービスの性格と契約書の中身を吟味して、それが、“Export of Service”と“Intermediary Service”のどちらに該当するのかを慎重に判断することが必要です。

 

今週は以上となります。

 

 

東京コンサルティングファーム

中村 匠吾

 

 

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