インドでの人事管理を理解する

労務

こんにちは。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。

Delhi、Gurgaonはいよいよ冬に入りました。2月いっぱいまでは暖房が欠かせません。当社駐在員が増えたこともありデロンギヒーターを購入しました。ですが外国製なのかコンセントが微妙に合わず、、コンセントが半壊しながらも無理やり差し込んでどうにか使っています。さすがはインドだと感じます。

さて、今回はインドでの人事管理について触れたいと思います。いかにインド人にモチベーション高く業務を取り組ませるか、いかに早くローカライズするかはどの企業にとっても大きな課題です。

これまでにも書いてきたとおり、日系企業は1人の人に柔軟性をもって、なるべく広い範囲の業務を見てほしいと考えています。特に進出されたばかりの企業にあるのが、管理部門というひとくくりで人事、経理、総務要員として1人採用したいというものです。インドではこれが簡単ではありません。自分の業務は○○と明確にし、それに特化していきます。

このようなギャップが生まれる理由として人事管理の考え方に根本的違いがあることが挙げられます。日本は「属人主義」インドは「職務主義」の思想に基づいています。根本が違うという事を理解した上で人事管理を行わないと経営陣とインド人スタッフ間にギャップが生まれうまくいかないため注意が必要です。

経営戦略に応じて組織を構築、必要な機能を明確にし、社員に対して役割業務が割り当てられます。日本企業文化である「属人主義」の場合、割り当てられたメインの役割業務だけでなく、業務の状況や個人の能力に応じて周辺業務までこなすことを求めます。時には部署を超えた業務も含まれるため他部署の社員ともうまく協力しながら業務を遂行できる能力が必要になります。そのため相手への気遣い(問題発生時に解決案を生み出す、相手のためになる情報を共有する、進捗を関連者へ報告する)ができるといえます。

一方でインド企業文化である「職務主義」の場合、必要な機能を明確にした後、周辺業務を含めた詳細役割業務を完全に個人に割り振ります。また責任範囲も明確に定めます。それを職務分掌にし、それに基づいて業務を遂行します。そこに「この人だったらこれができるだろう」という要素は一切含まれません。そのためインド人は与えられた業務については一生懸命行いますが、周辺業務へ対応する柔軟さには欠けていますし、報告するということができません。

これらの現状を踏まえ、どのように人事管理を行うのかじっくり方策を練る必要があります。インド人を採用する以上、インド人に受け入れられる制度であるべきでしょう。職務分掌を作成し、求められる業務や責任範囲を明確にすることは最低限必要となります。しかしながら与えられた仕事のみをきちんとこなすだけでは当然まったく足りません。インド人が自分の部下を教育し、将来インドを引っ張っていく人材になるためには、周りと協力した柔軟な対応や自分の業務範囲を超えていく必要があります。

そのためにはその会社の社員としての考え方=経営理念を理解させる必要があります。行動は考え方から生まれてくるものです。社員としての考え方を理解させることと、職務分掌で役割を明確にすることの両方が必要です。

会社としてどのような思いをもってどこを目指して、そのためにはどんな社員であってほしいのか、これを常日頃問い続けましょう。

手段はインド流で、根本は経理理念で運用していくことがポイントです。

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