皆さん、こんにちは。
チェンナイ駐在員の中村です。
2013年インド会社法の一部修正案が、2018年5月7日を以て施工されました。
その結果、日系企業の悩みの種であった居住取締役の選任要件が変更しましたので、下記ご確認ください。
(旧要件)
全ての会社は前年の1月1日から12月31日までに182日以上居住している者を少なくとも1名取締役として選任しなければならない
(新要件)
全ての会社は当該年度の4月1日から3月31日までに182日以上居住している者を少なくとも1名取締役として選任しなければならない
但し新規設立した会社は、取締役の居住日数を設立日から比例的に算出して、満たせばいいものとする
(解説)
従来は前年度のカレンダー歴で居住要件が判定されたので、取締役を務める駐在員が交代、あるいはインド国に新規進出する場合、対応策を講じる必要がありました。
既にインド進出済の日系企業は、(居住要件を満たす)日本人取締役が帰任した後も、引き続き取締役としての籍は残し、後任者が居住要件を満たした時点で除籍する等の対応を行いました。また、インド側のパートナーと合弁進出した日系企業は、パートナー側から居住取締役を選任することで、同規定に対応するのが一般的でした。
一方で、インドへ100%独資で新規進出する企業は、(社内のインド人従業員を取締役登録するのは事実上選択肢にないとして)コンサル会社や会計士事務所に外部取締役を名義借りして、自社の日本人駐在員が居住者要件を満たすのを待つというのが常套手段でした。
然しながら、修正案の施工により、過年度の居住判定が撤廃された結果、
帰国済の取締役を登記上続投させる、あるいは外部に名義貸しを依頼するといった対応が不要になり、取締役選任上のコンプライアンスが軽減されることとなりました。
従って、多くの日系企業にとって歓迎すべき内容だと言えるでしょう。
本日は以上です。
Tokyo Consulting Firm Private Limited
チェンナイマネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)
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