損金不算入項目について

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループバングラデシュ拠点の谷之口大輝です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「損金不算入項目」についてお話していこうと思います。

 

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【損金不算入項目】

バングラデシュでは、2023年6月まで1984年所得税条例(Income Tax Ordinance, 1984)が税法の根拠法として採用されてきましたが、2023年7月1日より、所得税法(Income Tax Act, 2023)が公布・施行されました。

今回は、その中でも損金不算入項目についてご紹介します。

・損金不算入項目

税務上損金に算入されない項目は所得税法第55条に定められています。

(旧法では第30条に定められていました。)

55条

(a)

Chapter VII(源泉控除について記載の章)に規定の支払 支払時に源泉控除が定められているもの(Chapter VIIの記載項目)について、源泉控除が行われず支払いが行われた場合。

※バングラデシュではほぼ全ての取引に、源泉税が発生します。源泉控除が行われた会社にとっては、源泉分は前払法人税と認識されます。

(b) パートナーに対する支払い パートナーに対して行われた給与、コミッション、利息の支払い。
(c) 手数料等 取締役に支払われたコミッションやディカウント費用。
(d) 臨時手当収入* 年間100万BDTタカを超える基本給、残業代、祭日賞与等以外の雇用主から従業員へ行われた手当やその他支払い。
(e) 技術支援費* 利益の10%を超える技術費用の支払い。
(f) 本店やグループ企業へ親会社の費用支払い 所得の10%を超えるバングラデシュ会社法で登記されていない非居住である本店やグループ企業への支払い。
(g) 海外旅費 売上の0.5%を超える海外旅行に係る費用。
(h) 交際費等 交際費を加味しない利益の以下の料率まで交際費が損金算入可能です。その上限を超える交際費は損金不算入。

利益の1,000,000BDTまで・・・4%

利益の1,000,000BDT以上・・・2%

(例)税引き前利益=2,500,000BDTの場合

1,000,000BDT*4%=40,000BDT・・・①

1,500,000BDT(2,500,000BDT-1,000,000BDT) *2%=30,000BDT・・・②

①+②=70,000BDT 損金算入限度額

(i) サンプル費用 以下が損金算入上限額となります。

売上の0BDT~5千万BDT:0.5%

売上の5千万BDT~1億BDT:0.25%

1億BDT以上:0.1%

医療・食品・美容業界については、別途規定されています。

(j) 宣伝広告費 損金算入上限は、売上の0.5%となります。
(k) 給与 銀行送金以外の方法で支払われた額。
(l) 賃料 家賃、車レンタル、建機レンタル等が銀行送金以外の方法で支払われた場合。
(m) 原材料の購入 銀行送金以外の方法で支払われる50万BDT以上の原材料の購入に対する支払い。
(n) その他支払い (k)(l)(d)を除く支払いに対しては、50,000BDTを超える支払いに関して銀行送金以外で行われた場合。
(o) 証憑書類なしの支払い 証憑の提示を要求された場合で、提出ができなかった場合。
(p) 私的費用の支出 私的な費用、資本的支出。
(q) 使途不明金 費用の証憑不十分な費用。
(r) 営業活動に無関係な支出 営業活動に無関係な支出。
(s) 使用権資産 使用権資産の償却費。
(t) 減損 減損処理で発生する損失。
(u) 積立金 税務署より許可を取得していない基金への積立額。
(v) 企業会計原則に反する費用 証憑がなく、会計基準に則さない支出。

バングラデシュでは、上記のように損金不算入項目があります。

特に項目の(u)の積立金では、税法上Provident FundとGratuity Fundの基金の登録が任意になっておりますが、もし、登録していない場合は、実際の退職金も費用否認されてしまうため、Fundの登録をしておくことをおすすめします。

その他に、近年現金での支払いに対する指摘が厳しくなっています。社内の費用の支払い方法を確認することをおすすめします。

 

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谷之口 大輝(たにのくち たいき)

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