バングラデシュにおける国民任意年金制度について

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループバングラデシュ拠点の谷之口大輝です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「バングラデシュにおける国民任意年金制度」についてお話していこうと思います。

 

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【バングラデシュにおける国民任意年金制度について】

 

2023年8月17日より国民任意年金制度(Universal Pension)の運用が開始されました。

18歳以上のすべての国民を対象としており、年金の受取開始年齢は退職後の60歳となります。

最低10年間は年金を積み立てなければいけないため、現在50歳以上で本制度を適用する際は、

特別な措置として年金受取開始年齢を後ろ倒しにすることができます。

(例: 現在55歳で本制度利用の場合、55歳から10年間積立てを行い、65歳より年金受取開始)

また、積立金額は非課税扱いになります。

年金制度は4つの制度が設けられています。

  • Progoti制度

対象者:民間企業の従業員

月々の積立額 2,000BDT 3,000BDT 5,000BDT
積立期間(年) 月々の受取額(BDT)
42 68,931 1,03,396 1,72,327
40 58,400 87,601 1,46,001
35 38,374 57,561 95,935
30 24,932 37,398 62,330
25 15,910 23,864 39,774
20 9,854 14,780 24,634
15 5,789 8,683 14,472
10 3,060 4,591 7,651
  • Surokkha制度

対象者:自営業者など

月々の積立額 1,000BDT 2,000BDT 3,000BDT 5,000BDT
積立期間(年) 月々の受取額(BDT)
42 34,465 68,931 1,03,396 1,72,327
40 29,200 58,400 87,601 1,46,001
35 19,187 38,374 57,561 95,935
30 12,466 24,932 37,398 62,330
25 7,955 15,910 23,864 39,774
20 4,927 9,854 14,780 24,634
15 2,894 5,789 8,683 14,472
10 1,530 3,060 4,591 7,651
  • Somota制度

対象者:貧困層

※貧困ラインはバングラデシュ統計局が公表する所得制限によって決まる。

月々の積立額 1,000BDT(政府が500BDT・対象者が500BDT)
積立期間(年) 月々の受取額(BDT)
42 34,465
40 29,200
35 19,187
30 12,466
25 7,955
20 4,927
15 2,894
10 1,530
  • Probash制度

対象者:バングラデシュ国籍でバングラデシュ国外働いている労働者

月々の積立額 5,000BDT 7,500BDT 10,000BDT
積立期間(年) 月々の受取額(BDT)
42 1,72,327 2,58,491 3,44,655
40 1,46,001 2,19,001 2,92,002
35 95,935 1,43,902 1,91,870
30 62,330 93,495 1,24,660
25 39,774 59,661 79,548
20 24,634 36,951 49,268
15 14,472 21,708 28,944
10 7,651 11,477 15,302

年金制度はオンラインにて登録することが可能です。積立頻度については、毎月、四半期毎、年毎の選択が可能です。

また、積立方法については、オンラインバンキングやクレジットカード、デビットカードなどを通じて納めることができます。

積立遅延が発生した場合は遅延料金とともに登録した携帯電話番号に通知が来るというシステムになっています。

遅延料金については、1か月積立を滞納した場合、毎月の積立額の1%の金額が遅延料金として発生します。

さらに3カ月積立を滞納した場合、年金の個人アカウントは停止されます。

その場合、滞納期間の積立金額と遅延料金をすべて支払えばアカウントは再開されます。

(例)毎月5,000BDT積立

・1ヵ月滞納した場合

50BDT(5,000×1%=50BDT)が遅延1日に加算されます。

1ヵ月を30日とした場合、1ヵ月で最大50BDT×30日=1,500BDTの遅延料金が発生。

・3カ月滞納し、アカウントが停止したものを再度開始する場合

15,000BDT(3か月分の積立額)+4,500(3か月分の遅延料金)=19,500BDT
19,500BDTをすべて支払うことができれば再度開始することが可能。

運用開始直後のため、今後様々な改定があることが予想されます。

 

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谷之口 大輝(たにのくち たいき)

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