インド コロナ禍における出向者のTDSの取り扱いについて

税務

皆さま、こんにちは。
バンガロール支店マネージャーの松波優大です。

今回はコロナ禍における出向者の個人所得税をテーマに、お話しさせていただきます。

 

Q:

技術提携中のインド法人に対し、日本法人より出向者がいますが、コロナの影響により、20年6月に日本に一時帰国しております。
また、インドに再度出向する見通しがつかない状況となっております。

この場合の、4月~5月のインド給与及び日本給与の取り扱いについて、どうなりますでしょうか。

 

A:

出向者が居住者になろうが非居住者になろうが、インド源泉所得については、インドでの課税所得となります。

今回のケースですと、出向者の給与はインド給与と日本給与から構成されておりますが、4月~5月のインド給与は、インド国内の口座で受け取った所得として、インド国内源泉所得となるため、インドにおける課税対象となります。

 

また、日本給与についても4月~5月については、インド出向先で業務をしていたため、これはインドにおける労働力の発揮の対価であり、インドで発生した所得として、インド国内源泉所得となり、同じく課税対象となります。

もちろん、4月から5月の日本給与及びインド給与についてはインドにおいて、毎月のTDSにより納税したことと思いますが、TDSの計算実務上、今会計年度の見積所得金額から算出される見積個人所得税額を未消化月数で割り返して、月次のTDS金額を算出しているケースがほとんどとなります。

 

今回のケースですと、4月及び5月分のTDSは、4月から翌年3月まで就労状況が変わることなく、つまり、インドにおける労働の対価としてインド給与及び日本給与を得ることをベースにTDSが算出されていたため、実際年間税額より多くTDSを納税していたこととなります。

従いまして、その分のTDSについては、還付対応を進める必要がございます。

 

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株式会社東京コンサルティングファーム バンガロール支店マネージャー
松波 優大(まつなみ ゆうだい)

 

 

 

 

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