~GST導入について~

税務

Tokyo Consulting Firm Private Limited

デリー統括マネージャー

中村 匠吾(なかむら しょうご)

TEL: +91 9599458263 / E-MAIL: nakamura.shogo@tokyoconsultinggroup.com

 

皆さん、こんにちは。

 

 

今週も皆様から寄せられたご質問についてお答えしていきます。

では早速・・・

 

Q:

来年度よりGSTが導入されると聞きましたが、どのような運用になるのでしょうか。

また、税率が決まっていたら教えてください。

 

A: 

おっしゃる通り来年4月よりGSTが導入される見込みです。

また、11月3日に行われたGST委員会の第4回目の会議では、GST税率がついに決定されました。

例外はあるものの、原則的に5%、12%、18%、28%のいずれかが適用となります。一般的に必需品とされるものには5%、奢侈品に対しては28%のGSTが課されます。

また、たばこやアルコール製品、pan masala、高級車等は28%にさらに追加税がかかるとされています。

 

反対にConsumer Price Index(消費者物価指数)の構成要素となる穀物類に対してはGST税の免除対象となります。また、サービス税は現行の15%から18%に変更されると考えられます。しかし、この税率の統一により、GST導入から最初の1年間は今まで適用されていたVAT税との違いから5兆円の補償金が必要とされています。政府は奢侈品に対する追加税やclean energy cess(環境税)でこの損失を補てんすることを公表しています。

 

また一般的な企業が準備しておくべきことを下記にてまとめました。

 

①  Supply Chain: モノの調達方法、輸送方法の見直し、在庫の保管方法等の見直しが必要

 

②  Cash Flow:輸入にかかるGST、在庫移動にかかる課税、免税、低減税率対象科目の減少、クレジット利用のタイミング等、在庫移動を要する場合はサプライチェーンの最適化と共に見直しが必要

 

 

③  System Update:月次レポート、法定コンプライアンス等、GST導入に向けたERPシステムのアップデートが必要。(請求書のフォーマット改定、新しい勘定科目の設定、税区分・税コード等マスターデータの変更等)

 

④  Legal:税規約や各契約書、コンプライアンス遵守の為の業務文書の変更が必要

 

 

⑤  MRP Review:モノやサービスの価格に対する税率が変更となることから、サプライヤーと十分協議した上で最適なMRPの価格設定が必要。

 

このGST導入は、100年に1度の税制改革と呼ばれており、インドにおける貧富の格差をなくす為の重要な税制改革が期待できそうですが、未だ導入に際し不透明な部分も多く、今後の政府の動きには注視していく必要があります。

 

 

本日は以上となります。

 

 

東京コンサルティングファーム

中村 匠吾

 

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