インドにおける新型コロナ感染拡大第2波による影響分析 ―新型コロナ感染拡大第2波に見るカントリーリスクの軽減体制について―

皆さま、こんにちは。東京コンサルティングファーム、インド拠点でございます。

 

今回は、インドにおける新型コロナによる影響分析と感染拡大第2波による影響分析ということで、

新型コロナ感染拡大第2波に見るカントリーリスクの軽減体制についてお話します。

 

こちらは弊社Wiki Investmentの第2章税務にリンクしており、

現在、従来の基礎知識、政治体制に併記する形で更新中です。

 

2021年の4月から5月にかけて新型コロナ感染拡大第2波は、デリー首都圏を直撃しました。

人々の状態としては病床不足や酸素不足などの医療インフラに直面しました。

インドの病床数は、日本の約10分の1と言われています。その中で日本人にも多くの感染者が出ており、重症化した人もいました。

 

2030年までにインドは、GDPで世界第3位にまで成長すると言われている国です。その達成に向けて現在も様々なビジネス環境の整備に取り組んでいます。
しかし、まずはインドの課題はカントリーリスクをどのようにして軽減するかについて対策することです。
それにあたり、病床数や医療物資の確保など医療インフラの整備に取り組んでいかねばならないと言えます。

 

  1. インドの医療事情&新型コロナ感染拡大第2波

日本医師会総合政策研究機構の資料によると、精神病床を除く約8床でおおよそ日本の1,000人であり、

その数はドイツと並びトップクラスです。

これに対しインドは0.9床であり日本の10分の1にも満たしません。

下の図によると、過去数年間に0.1上昇しただけです。この数値は、インドの人口増加率と病床数の拡大が

ほぼ同じスピードでしか成長していないことが解ります。

このような医療事情の中で、2021年の4月から5月にコロナウイルス感染が急拡大した第2波では、

インドの病床のひっ迫と酸素ボンベ不足が人的被害を著しく促しました。

日系企業48社が集積するラジャスタン州ニムラナ日本企業専用工業団地内に2020年3月に

ニムラナ・クリニックを開業に際して支援したプレステージ・インターナショナルインディア社の山上拓也氏によると、
当時の状況やインドの医療事情は第1波の時は、日本人の感染者は極めて少なかったとのことでした。
また、多くの日本人の感染が広がり始めた頃に一斉に国外退避した影響もあり得ると言っておりました。
この間、オンライン診断や公衆衛生一般及びPCR検査の説明会を展開しました。

第2波というと、第1波と様相が変わり日本人にも感染者が出ました。患者達は、本人と企業、医師との合意の上首都圏や最寄りの病院の予約も行ったようです。
重症者に対する迅速な対応である病床確保が必要でした。
患者との接触や医療現場への立ち入りも多く社内でも感染者がでたこともあった為、より少ない人員で医療機関への打刻や交渉をしました。
しかしながら、例え病床があったとしても酸素ボンベのない病院もあり、集中治療室の確保も困難な状況で搬送手段である救急車も不足していました。

インド在住の外国人は、医療体制が整っている私立病院に行くのが一般的として考えられています。

私立病院には、医療先進国でけいけんを積んだ医療も多く判断技術も日本に劣らないと言われています。

課題としては、具体的な症状の所見や検査の結果、処方箋に対する合意形成「インフォームド・コンセント」や説明が希薄な為、外語人単独の受診はハードルが高いとされています。
また、日本の病院と違い入院の時に支払い担保としてどこも前金デポジットを要求します。
この点では、実際に病床ひっ迫の第2波では、デポジットを支払って病床が抑えられた場合もありました。

 

  1. 病床や医療物資の確保を最優先にしており、ニムラナ工業団地社長会事務局によれば、

「同団地によると、現在約200人の日本人が駐在しています。日本人の中にも感染者が出ました。

幸いなことに、間一髪で集中治療室に入れた場合や首都圏に空きがなく近郊の病院に入院した場合もあった」とのことでした。

ちなみに、デリー準州及びハリヤナ州の1日あたり新規感染者数は7月に入って両州ともに100人以下に落ち着いているとのことです。
また、同工業団地での新規感染者数は6月7日以降増えていません。

インドの人口は、2030年には14億人規模になり中国を追い抜き世界一の人口になると予測されています。

その時には、インドのGDPは世界第3位の日本を追い抜くとも言われています。
インド政府は、経済大国たるにふさわしいインフラ整備・税制改革・労働法改正などのビジネス環境整備を推進しています。

もっとも注意すべきとすべきことは、外国駐在員を含み、人々が安心して生活できる国づくりを目指し、

病床数や医療物資の確保など医療インフラの整備に真っ向から取り組んでいかなければなりません。

このことは、カントリーリスクの軽減にもつながります。

 

次回からは、コロナ第2波下のインド工業団地の状況―ニムラナ工業―についてお話します。

そして引き続きwithコロナ・afterコロナの視点から、

将来のリスクも見据えた各種レターのドラフトやレターのレビューを行っております。

 

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少しでも、ご懸念点などがございましたら、

お気軽にお問い合わせください。

(2021年7月16日現在)

 

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