インドにおける従業員の給与減額時の留意点

労務

皆様、こんにちは、
Tokyo Consulting Firm Private Limited(India)です。

本日は、インドにおける従業員の給与減額時の留意点についてみていきます。

 

昨今のコロナウイルスの影響により、インド企業ではユニコーン企業を中心に大規模な解雇や給与の減額が行われています。
(日系企業では少ないようです。)

今回のコロナの影響はビジネスにも負の影響をもたらしており、多くの企業で売上が大幅に減少しています。
かつ、ロックダウンの影響により、従業員が出社できない状況の中、従業員に通常の給与を支払い続ける事について疑問を持たれるかもしれません。

今後、コロナの影響が長期化する場合は、レイオフ等の手段を検討する必要が出てくるかもしれませんが、短期的なアプローチとして、給与の減額を総額賃金管理の一環として行われる企業も一定数いるかもしれません。

会社経営において、人(従業員)は最も大事な存在であると考えているため、給与の減額(人件費の削減)は固定費の削減を行う上で、最終手段と考えておりますが、仮に行う場合を想定して、いくつか留意点を紹介します。

 

1、雇用契約書や就業規則のチェック

給与の減額に限った話ではありませんが、インド労働法においては会社側が何かアクションを起こす際には、雇用契約書や就業規則上に特段の記載がないか確認する必要があります。

2、従業員への事前の説明

給与減額を行うに至った経緯や行わなければならない正当性をもった理由を従業員に説明することによって、従業員から同意を得る事が推奨されます。
売上が無い事等、財務的な指標を可能な限り、用いることで、説得力のある説明が行えるかと存じます。

 

3、給与減額の合理的な基準

給与の減額を行う場合は、合理的かつ公平な基準を用いて行う事が推奨されます。

例えば、同役職の従業員間での差別を付ける事は避ける必要があります。
また、給与源額幅の計算過程などについても可能な限り公開し、従業員に説明を行う事が推奨されます。

 

4、従業員の同意は書面

給与減額に関する従業員の同意は何らかの書面に署名をもらい、同意のエビデンスを残すことが推奨されます。

例えば、給与減額の説明を行った後に、Information letter等を送付し、その書面に署名をもらう等の手段が現実的だと考えられます。

 

このような点が給与減額時の留意事項です。

キーワードは「説明責任」、「公平性」等になってきます。
やはり、法的な縛りがある中での対応というよりも、人と人との問題に発展しないためにも、ソフト面の対応が効果的であることが分かります。

 

今週は以上となります。

Tokyo Consulting Firm Private Limited(India)ではインドビジネスについて、より詳しい情報を弊社の日本人コンサルタント、インド人勅許会計士・弁護士・会社秘書役がお答えします。
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東京コンサルティングファーム インド・デリー拠点
田本 貴稔

 

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