インドの労働法③THR FACTORIES ACT, 1948

労務

新年あけましておめでとうございます。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。
今年の目標はいかがでしょうか。我々の目標の一つは「ローカライゼーション」です。日本の品質の高さをローカルのみによって運用していくことです。日本人によるコーディネイトと併せることで高付加価値を生み出したいと思います。
当社は世界22か国に拠点を設けております。インドはその先駆けでありもっともローカルスタッフが多くいますので、今年は「ローカライゼーション」の実現を目指していきます。

今回はTHR FACTORIES ACT, 1948について触れたいと思います。社員10名以上いる工場が対象となります。前回のTHE SHOPS AND ESTABLISHMENTS ACT, 1961とは違い、州ごとにActとして独立しておらず、Factories Actの下に各州でルールを定めています。Delhiであれば「Delhi Factories Rule, 1950」となります。

Factories Actの内容は主に以下の項目に分かれます。

Health
Safety
Welfare
Working hours
Leave

Healthでは、気温・湿度管理、水の提供やトイレの設置など健康を害しないためのルールが定められ、Welfareでは食堂や休憩所について定められています。また社員500名以上となった場合はWelfare Officerを採用しなければなりません。Welfare Officerとはこれらルールに則り社員に秩序を守らせる役割を担います。ただしDirectorの代わりに裁判に出るなどの権利は与えられません。その他、有給休暇の最低日数や、法定労働時間、夜間勤務について規定されています。各州のルールと併せて確認する必要があります。

それら規定を維持させるためにFormでの管理と保管が求められ、内容によっては届出が必要となります。

Formでの管理が必要な例として、マネジャーの変更(Form 3)、健康状態の記録(Form 17)、週休と代休管理(Form 9)、湿度測定の記録(Form 6)などがあります。調査官が突然訪問してきて、管理が適切に行われているか確認することがあるため注意が必要です。
※上記FormはDelhiの場合です。

またDelhiの場合は、12月31日までに年次の届出が必要になります(Form 21)。Formの主な内容は以下の通りです。

社員数
年間労働日数(男性、女性、若年者)
年間労働時間(男性、女性、若年者)
年間総労働者数
上記の内、有給を与えた労働者数
Welfare Officerについて
食堂について
休憩所について
発生事故について

Factories Act, 1948と各州のRuleを確認してみましょう。

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