【保存版】インドのPF制度完全解説!知らないと損する従業員福利厚生の秘訣


皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の加部 新です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【保存版】インドのPF制度完全解説!知らないと損する従業員福利厚生の秘訣」についてお話していこうと思います。

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【保存版】インドのPF制度完全解説!知らないと損する従業員福利厚生の秘訣

 インドでビジネスを展開する際、避けて通れない重要な制度の一つが「PF(Provident Fund)」です。本記事では、インドのPF制度について詳しく解説し、企業がどのように対応すべきかを分かりやすく説明します。

1.インドPF制度とは

 PFとは「Provident Fund」の略称で、日本の厚生年金に相当する従業員向けの積立制度です。インドで20名以上の正規社員を雇用している企業は、このPF制度への加入が義務付けられています。ただし、20名未満の企業でも任意で加入することが可能です。

 インドのPF制度は主に2つの制度から構成されています:

  1. 従業員積立基金(EPF: Employees’ Provident Fund)
  2. 従業員年金基金(EPS: Employees’ Pension Scheme)

 これらの制度について、詳しく見ていきましょう。

2.従業員積立基金(EPF)の詳細

 EPFは従業員の将来の経済的安定を目的とした積立制度です。主な特徴は以下の通りです:

  • 対象者:基本給が15,000ルピーまでの従業員
  • 積立金:雇用者(会社)と従業員がそれぞれ基本給の12%を積み立てる
  • 合計積立額:毎月、基本給の24%がPFとして支払われる

3.EPFの登録方法

 EPFへの登録は、「従業員基金組織」の公式ウェブサイトでオンラインで行います。登録には以下の点に注意が必要です:

  • 面接(physical appearance)は不要
  • 雇用主と従業員の両者の情報が必要
  • 公式ウェブサイトで指定された必須書類の提出が必要

4.従業員年金基金(EPS)の概要

 EPSは1952年に設立された年金基金制度です。主な特徴は以下の通りです:

  • 積立金:給与の8.33%または1,250ルピーのいずれか低い方
  • 外国人労働者:一律で給与の8.33%を積み立てる
  • 高給与の外国人:15,000ルピー以上の給与がある場合、EPSには加入せず、EPFのみに加入することが多い

5.インドPF制度の重要性

 インドでビジネスを展開する企業にとって、PF制度の理解と適切な対応は非常に重要です。以下の理由から、PF制度への加入と適切な運用が求められます:

  1. 法令遵守:20名以上の正規社員を雇用する企業には加入が義務付けられている
  2. 従業員の福利厚生:従業員の将来の経済的安定に寄与する
  3. 企業イメージの向上:適切な福利厚生制度の提供は、優秀な人材の確保・維持につながる
  4. リスク管理:法令違反によるペナルティや評判の低下を回避できる

6.PF制度への対応のポイント

 インドでビジネスを展開する際、PF制度に関して以下のポイントに注意しましょう:

  1. 従業員数の把握:20名以上の正規社員を雇用しているかどうかを常に確認する
  2. 登録手続きの適切な実施:「従業員基金組織」の公式ウェブサイトでの登録を確実に行う
  3. 積立金の適切な計算と納付:基本給に基づいて正確に積立金を計算し、期限内に納付する
  4. 外国人従業員への対応:外国人従業員に対する特別な規定を理解し、適切に対応する
  5. 制度の変更への注意:2024年4月、カルナータカ州高等裁判所は、外国人労働者に対するEPF規定の一部(Paragraph 83など)を「違憲」とする判決を下しました。これにより、国際労働者への適用範囲が見直される可能性があり、今後の法改正に注意が必要です。

7.インドビジネスのことは「東京コンサルティングファーム」にお任せください

 今回は「インドのPF制度」について解説しました。

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 本稿で解説した、インドのPF制度に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事は、インドに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。

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