インドの給与や昇進昇格に対する考え方

労務

 皆さんこんにちは。インド駐在員の中道です。インドで人事に関わっていればインド人は給与や昇進昇格に対する執着が強いというのは多くのみなさんご存知かと思います。しかしながら、一部の地域では少し違った考え方が出てきているのだそうです。

 先日もちょっとびっくりするニュースを発見しました。

 IT企業で働くインド人のサンディープ・ジアさんは、月額およそ7万円の給料が高額すぎるとして退職。地元バンガロールの多くの人が貧困に悩む中、自身が高額を稼いでいることにストレスを感じてしまっていたとのことです。「すっかり落ち込んでしまったので、結局その仕事を辞めて他の仕事を探すことで、問題を解決しようと決めた」と説明しました。本人によれば、会社側に何度も減給を要求したものの、上司たちがその願いに耳を傾けてくれなかったため辞職することにしたそうです。 

 もちろんこの場合は彼の個人的感情が影響しているようだが、先日訪問した企業では昇格通知をしたところ、辞退をする人物が現れたのだそうです。しかも一人ではなく、数名いたそうで、その場合の理由はそこまで昇格して、仕事にプレッシャーを感じたくないので今までの給与でいいのだそうです。

 少し前のインドならば誰もが自分の給与を100ルピーでも上げようと翻弄していたでしょう。もちろん今のインドもそのような傾向はありますが、次第に仕事の価値観の中にやりがいや人間関係という別の価値観が転職理由の上位になり始めたのも事実です。

 インド人スタッフのモチベーションを上げる幅がお金という外的なものだけでなく、内面に訴えられるようになるのであれば社員のモラルや社風、待遇を良くしたり、彼らのやりがいを刺激するような教育やキャリアプラン作りが今後の人事成功の鍵になるでしょう。

以上

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