お世話になっております。東京コンサルティングファームの藤井でございます。
労働裁判の判例をケーススタディの題材として使用し、どういった思考軸を持って自社の従業員と接すればいいのかについて考えていきたいと思います。また、この判例が皆様のビジネスの一助となれば幸いでございます。
<判例>
1991年5月5日、従業員Xは、Y社に6ヶ月の試用期間を設け、工場長として採用された。Y社は、Xに対して1991年10月24日に就業態度や主たる業務である工場管理をしていないことに対しての警告書を発行した。試用期間が終了すると同時に、3ヶ月間の追加試用期間を設けた。その期間内でも改善が見られないため、1992年1月10日、Y社はXに対しに契約終了のレターを送り、1992年1月30日に試用期間を終了した。
<従業員側の主張>
会社側の都合によって試用期間を終了したことは解雇事由に該当すると主張。
<会社側の主張>
会社としては、警告書まで出し、改善の余地が見られず、追加で設けた試用期間内でも同様であったために、止むを得ず契約を終了させたと主張。
<判決の要旨>
本件では、Y社が従業員Xに対して警告書を送り、改善を行ってもらおうとする姿勢は見えている。また、従業員Xは工場長であるにもかかわらず、主たる業務を遂行していないというのは、会社側が工場長として的確であるかそうではないか見極める試用期間内で自身が的確であることを証明していない。よって、正当な理由による解雇とみなすことができる。
<判決のポイント>
今回のケースは、工場長という立場でのケースであり、工場長としての仕事を従業員Xが行わなかったことが正当な解雇事由に該当すると判断されました。役職のない従業員や役職が低い場合の従業員に対しては、警告書を送った後、改善を行えるような教育が施されているか、または、そういったフォローがなされているかなども見られた上で正当な解雇かどうかの判断が下されます
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