インド事業撤退は何故難しいのか?(撤退前の留意点)

皆様、こんにちは
Tokyo Consulting Firm Private Limited(India)です。

本日は、インドにおける事業撤退前の留意点についてみていきます。

 

インドでは撤退が難しいと言われますが、撤退前の留意点として「従業員の解雇」と「各種コンプライアンス義務」が挙げられます。
撤退を少しでも考えられている方に関しては、下記の内容についてご参照いただければと思います。

 

○従業員の解雇

労働争議法(Industrial Dispute Act, 1947)におけるワークマンは手厚く保護されている→適切な解雇手続きや補償が必要

①労働者への解雇通知(1か月まで)→②州政府への事前通知※→③補償金の支払い
※100人以上の労働者を雇用している場合、州政府への事前承認必要

 

雇用契約解除時の対策

  • 法定退職金の説明や交渉が難航した際の対応等を、事前に弁護士とシミュレーションしておく
  • 退職金の交渉等を有利に進めるために、従業員が重要資料やデータを開示しないといったケースが考えられるため、重要書類の管理は会社で厳重に管理し、バックアップを事前に取っておく

 

インド人との交渉

  • 従業員、取引先との契約解除、事務所・アパートの大家との保証金返還等
    →交渉を必要とする場面多数あり
  • インド人はタフネゴシエーターのため、交渉が長期化する可能性あり
    →予め契約内容を精査し、必要に応じて詰める

 

○各種コンプライアンス義務

過去の法令不順守(コンプライアンス違反)を指摘されるケースあり

  • 閉鎖手続き中は事実上のオペレーションはないが、閉鎖申請が完了するまでは毎年のコンプライアンス業務を保守する必要あり
  • 会社法上のコンプライアンス違反を指摘されると、遅延金や罰金を請求されるケースがある

→これらの支払いが完了しない限り、手続きが進まないといったケースもあり、閉鎖業務が長期化する事例が散々される

 

このような点に留意しておくことが望ましいと言えます。
今週は以上となります。


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東京コンサルティングファーム インド・デリー拠点
田本 貴稔

 

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