皆さん、こんにちは。
インド及びインド周辺国統括の小谷野勝幸です。
前回の全編では、インドでは、最近国外関連会社間でコミッション取引から輸入販売
取引へ移行するケースが、多くみられ、2012年頃から弊社にも取引形態の移行における
税務スキーム構築の依頼が増えていると紹介しました。
後編では、その理由とSpecial Valuation Branchについては、概略を致します。
取引形態の移行の理由として、インド進出して2-4年が経過しているもののインド
子会社側ではコミッション収入に頼るだけで赤字となってしまい、何とかしてインド
国内での販売網や新製品や事業の拡大を行いたいという経営計画があるためです。
加えて、長期期間における関連会社間取引を行い、損失を認識し続けることは、
税務当局からの取引価格における妥当性について指摘リスクを高める一因となります。
税務当局から指摘された場合は、移転価格証明書、移転価格レポート、関連者間取引の
公正性及びマージンの適正性について調査が行われることになります。
又、仮に国外関連会社間でコミッション取引から輸入販売取引へ移行する場合、
インド内国法人と国外関連会社間での公正取引を監視するSpecial Valuation
Branch (以下、SVB)について理解をする必要があります。
SVBとは、関税法に準拠した組織であり輸入価格の妥当性についてSVBが判断を
行います。仮に国外関連会社から不当に低価格での輸入を行う場合、インド関税にて
支払われる税金が少なるため、こういった公正取引を害する低価格取引を制限する
目的のための制度となります。
主に輸出入者の会社名が類似している場合や商社等が輸出入の出資者でありインド
市場価格を大きく逸脱する商取引が行われる場合において、輸入者は取引関連書類
(下記一例)を揃え貿易管理局へ提出し、商取引が関連者間である旨の報告をする
必要があります。
1.買取授権表(letter of authority)
2.インド輸入者と輸出者間で締結されている契約書類(Agreement between the importer and exporter)
3.輸入企業の税務番号(PAN)
4.輸入企業の輸出入コード(IEC)
特に、2の「インド輸入者と輸出者間で締結されている契約書類」は、SVBに加え、
国外関連者間取引においても重要な書類となりますので、必要項目を確認し専門家の
意見を聞き作成する必要があります。
少しでも、インドにおける輸出入取引や関連者間取引についてご質問やご不明点など
ありましたら、下記までご連絡頂ければと思います。
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。
↓クリックにご協力お願い致します↓