成長ステージに応じた対応③成長期

労務

 こんにちは。Gurgaon事務所の仁井いずみ(ニイ)です。各成長ステージで対応すべき管理体制についてご紹介しています。今週は成長期です。

成長期
<ビジネス状況>
ビジネスが軌道に乗り、他地域展開を始める。それに伴い組織を拡大する。
<管理部門の状況>
会計・税務部門では内製化が進む。キャッシュフロー管理や連結対応について社員の能力に不足を感じることも。人事関係では昇給率決定のための評価制度はあるものの社員教育や理念浸透のための人事制度がない。そのため社員が成長しない、離職率が高いという問題が起きている。

 各部門にインド人担当者やマネージャーをおき、彼らを教育しながらビジネス拡大にまい進している時期です。

 会計・税務については内製化を進めていますが、一方で本社対応やスピーディーな対応、管理体制の強化など社員に高い能力を求めていく必要があります。

 人事関係については、会社の成長に伴い人事制度構築に目を向け始める時期になります。評価制度はすでに導入しているケースが多くなりますが、社員に生産性を上げさせる必要性や公平性のある昇給の必要性から、本格的に人事制度を導入する傾向にあります。日本本社の制度を導入する会社も多いです。

 インドで人事制度を導入する際には各制度につながりを持たせることが重要といえます。人事評価のベースは職務分掌であるべきですし、目標管理制度は会社目標の落とし込みを行うとともに職務分掌で定められたスキル向上についても目標管理シートに定めておくとよいです。日々の教育は、会社理念や職務分掌をいかに浸透させるかがポイントとなります。

職務分掌→評価制度→目標管理制度→社員へのフィードバック→昇給昇格、と全て関連性を持たせる工夫を行います。またそれを支えるのが日々の教育となります。

 日本本社から制度を導入する場合も、上記のようにつながっているか確認し、そうなっていない場合は調整する必要があります。また評価項目や目標管理の構成、職務分掌などインド人社員が受け入れ前向きに取り組んでもらえるような工夫が必要です。

<インド人への工夫>
・曖昧な表現や似たような項目を作らない
・項目や構成をシンプルにする
・運用側が継続できるようにする

 日本本社の意向はインド人にはなかなか伝わらないことが多いです。会社が何を求めているのか明確に分かりやすく伝える必要があります。またこれら制度を用いてインド人社員を教育する必要があります。そのためには頻繁に使う機会を作ることが大切です。例えば目標管理制度などは半年に1度の頻度で実施するケースをよく見ますが、四半期に1度くらいは必要かと思います。

 日々の教育で忘れてはいけないことが、会社理念を強く伝え続けるという事です。インド人は職場の社員を家族のように考える傾向があります。また誠実な部分もあります。それゆえ直属の上司につく場合があり、上司が退職した場合一緒に辞めることもあります。また上司カラーが強くなってしまうリスクもあります。上司につくのではなく会社につくような仕組みが必要であり、それが日々の教育です。朝礼を行うなど、会社の方向性や理念を社員全員で共有する機会を設け、それをベースにOJTを行うことが重要です。朝礼はあっても業務確認しか行っていない場合は、ぜひ朝礼の内容を見直してみましょう。

以上

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