皆さん、こんにちは。
チェンナイ駐在員の中村です。
今週から数週に渡り、M&Aの方法と注意点について執筆したいと思います。
インドにおけるM&Aの基本的なプロセスは国内のプロセスと相違はありませんが、意思決定に多大な時間を要した結果、経済情勢の変化によって条件の見直しを余儀なくされる事例も散見されます。
大雑把にフレーズを分けると、意思決定フェーズ、初期交渉フェーズ、最終交渉フェーズの3つになります。
意思決定フェーズは戦略策定、取締役会や投資委員会の承認、対象会社の情報収集になります。
初期交渉フェーズは買収対象会社、JVパートナーとの接触・打診となり、資産価値算定、基本合意書の締結
最終フェーズはデューデリジェンス、最終交渉および契約書締結になります。
本日は意思決定フェーズの中の対象会社の情報収集について触れたいと思います。
取締委員会や投資委員会を経て、トップマネジメントの承認を受けた後に、
担当者はM&A戦略に沿う買収対象会社やJVパートナーの候補先を選びます。欧米や日本などの先進国では既に業界団体、行政等のリストが既にあり公開されていることも多いですが、インドでは自社で自ら情報収集する必要があります。
ここでポイントはインド含む発展登場国では経済環境の変化が早く、精度の高いリストを作成することに時間を費やしても、既存の情報が陳腐化する可能性があるということです。
一次情報の取得には公用語や現地語に担当な人材を確保して、担当者が実際に現地に赴き裏付けを取ることです。
または外部の専門家に依頼することが望ましいでしょう。
一定の情報を常にプールしている金融機関からは多くの候補先の紹介を受けることが出来ますが、スクリーニングが行われていないものが多いことも実情です。
本日は以上です。
次週は初期交渉フェーズのポイントについて見ていきたいと思います。
Tokyo Consulting Firm Private Limited
チェンナイマネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)
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