社員への補償義務

労務

日本では労働者に対して、業務に起因した障害や死亡について補償をしなければなりません。その補償を補うための法律として労災があります。会社が一定の掛け金を支払い、労災認定されると国から補償が行われます。

 

インドの場合は、業務上の障害や死亡に対して補償すべき額を法律で定めています。Employee’s Compensation Act 1923 です。補償額については給与の何%を最低補償としており、障害の場合は部位や障害の程度によって100%~1%に定められています。この法律は日本の労災のような保険機能を備えているものではありません。

 

従業員への補償を目的とする別の法律に、Employees’ State Insurance Act (ESI)があります。この法律では業務上の障害や死亡、妊娠出産、遺族への保障などの取り決めがされており、保険機能も備えています。しかしESIの対象労働者は限られた範囲となっています。

 

Step1:業種、社員数

   180種の業種であって、社員20人以上(州の定めに準拠し、14州は10人以上とし

ている)

Step2:月収6,500Rs未満

 

Step2まで満たした労働者はESIの対象となります。逆に満たしていない労働者はESI

加入することができません。

 

したがって、ESI加入労働者以外の労働者へ対しては、国の保障がないということになります。ですが、業務上の障害や死亡に対しては補償が必要であり、その負担は会社にとって軽いものではありません。その場合は、民間の保険会社が販売している保険に加入し補償リスクを軽減するなどの対策が考えられます。

 

インドグルガオン駐在員 仁井

 

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