皆さん、こんにちは。
インド及びインド周辺国統括の小谷野勝幸です。
今回は、前回の続き「新会社法・新土地収用法(その2)について」を
紹介する前にインドにおける銀行口座普及率の話題をご紹介します。
日本に住んでいる成人のほとんどが銀行口座を持っていると思います。
それは、日本ではインフラが世界水準で整っていることや振り込みや
利便性が非常に高いことが上げられます。
その証拠に世界銀行2012年4月発表では、日本人成人の銀行口座の
普及(保有)率は、96%となっています。
では、私が駐在しているインドにおいての銀行口座保有率は、
どの程度か予想が出来ますでしょうか。
インドにおいて最も歴史がありかつ最大の銀行雇用者による労働組合
「AMBALA(All India Bank Employees’ Association)」は、インドにおいて、
約6億人が口座を保有していないと発表しています。
インドの総人口を約12億2千万とするとインド人成人の銀行口座の
保有率は、49.18%となります。
インドでは、ATMの前には、銃を携帯した警備員が必ず立っており、
治安が悪いため非常にコストがかったり、インフラ(特に電気)が
未整備だったりと銀行サービス提供の大きな壁となっています。
ちなみに、インドでは10,000ルピー(日本円で16,000円)/回しか
引き落としができない等、サービス面についてもまだまだ改善が
必要だと個人的には感じる点ではあります。
そしてインド最大規模を誇るState Bank of Indiaによると、口座普及率が
向上されない理由として、インド経済成長の鈍化が大きな要因となっていると
コメントし、経済の鈍化は政府主導での雇用や若者の就業状況に影響を
及ぼしています。
インドにおいては、銀行口座保有数だけではなく、インフラや経済など
改善点がまだまだありますが、ここからは先日改善された新会社法・
新土地収用法について紹介していきます。
新会社法(New Company Act)その2
【取締役就任の条件について】
新会社法が施行され1年間の予備期間の後、少なくとも1名の取締役は、
前期において182日以上インド国内での居住が必要となります。
【CSRの義務付けについて】
一定規模以上の企業に対して、過去3年間における平均純利益の2%以上を
CSR(企業の社会的責任)活動へ拠出することが義務付けられました。
下記、一項目以上該当する場合は、当義務の対象企業となります。
売上高:100億ルピー以上
当期純利益:5000万ルピー以上
株主資本:50億ルピー以上
【関連者間取引について】
関連会社間取引(国内外問わず)における一部の売買及びサービス提供
(該当する売買及びサービスは現在検討中となります)は、「Central
Government」からの許可制となっていました。
今後は、新会社法が施行され2年から3年の予備期間の後(現在予備期間は、
検討中となります)、株主及び取締役による事前許可制となり定時株主総会
又は臨時株主総会での承認、かつ取締役会での承認を得る必要があります。
次回は、新土地収用法について説明していきます。
少しでも法律、会計及び税務問題に関して気になる点や心配な点が
ありましたら私や当社の会計士及び弁護士へ気軽にご相談くださいませ。
又、新たに改正された法律に関しての問い合わせや不明点についても
下記までご連絡頂ければと思います。
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