インドの成功哲学「ジュガール」について

皆さんこんにちは。2013年2月からGurgaon事務所赴任となった中道です。

今日は最近日本国内でもかなり浸透しているインドの成功哲学ジュガールについてお話しします。

中国以外に住んでいる中国人のことを「華僑」というように、インド以外に住んでいるインド人のことを「印僑」と呼びます。
この「印僑」は全世界に2,500万人が住んでいます。アメリカでは全体人口の0.5%(250万人)という少数民族ですが、印僑の「9人に1人」が年収1億円以上、そして億万長者の10%を印僑が占めるという恐るべき現象が起きています。さらにアメリカの科学者の12%、医師の38%、NASAの36%がインド人ということが明らかになっています。あまり知られていませんが、マイクロソフトの従業員の34%、IBMの従業員の28%、インテルの従業員の17%をインド人が占めており、経営陣でもサン・マイクロシステムズやマッキンゼー、マスターカード、ペプシ、モトローラ、アドビシステムズ、シティグループなどの世界的な有名企業のトップがインド人です。世界各地で大成功を収めている印僑大富豪および印僑ビジネスマンの実に83%もの人が、成功したのは「ジュガール」のおかげだと口にします。

ジュガールとはヒンズー語で、工面、やりくり、手配、手立ての意味だそうです。ありあわせの材料と道具でモノを完成させるインド人の国民性を示す言葉で、近年、各国の経済学者らの間で研究対象になっています。インドではまだまだインフラが完全に整っていません。しかし彼らはその環境の中でも新たな発明やアイデアを生み出します。

例えば、インドには「ミティクール」という電気のいらない冷蔵庫があります。どこかのメーカーが発明したのかなと思っていたのですが、なんと発明したのは貧困層出身の陶器職人でした。職人が5種類の粘土を混ぜて陶器を作り、そこに水をかけると気化熱で8度も冷えるという現象が起きたそうです。そこで、これを冷蔵庫にすれば多くの国民の生活が向上すると思い、商品化され、今ではアフリカをはじめ世界中に輸出されるヒット商品になりました。

私がこのジュガールから学んだのはできない理由に捉われず、ポジティブに考え、どんな状況でも最短活路を見出すということです。「ジュガール」を活用する人は、いつも「自分が狭い常識の枠に捉われていないかどうか」を頭の隅で点検し、常にその枠を取り払い、突破するように意識しているそうです。

日本のめまぐるしい発展は戦後の人々の努力や発想でしたが、現在は環境が豊かな分、発想力や貪欲さが乏しくなっているのかもしれません。私はこれからインドでインド人と仕事をすることになりますが、色々な面で彼らから学べることがあると感じています。

以上

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