~インドにおける取締役の変更手続き②~

皆さん、こんにちは。
チェンナイ駐在員の中村です。

先週はインド法人における日本人取締役の変更手続きの大まかな流れを確認しました。
具体的には、下記①-⑥の工程がありましたね。今週は工程別に①と②の実務上のポイントを詳述していきます。

①日本国で取締役の身分証明書と住所証明書を公証認証
②PAN(Permanent Account Number)の取得
③DSC(Digital Signature Certificate:電子署名認証)の取得
④DIN(Director Identification Number)の取得
⑤株主総会or取締役会の開催と決議書作成
⑥Form DIR 11 とForm DIR 12の申請

①日本国で取締役の身分証明書と住所証明書を公証認証

・身分証明書
パスポートの名前と写真が入ったページをスキャンコピーし、記載された情報を英語翻訳した後、英文の宣言書
(Declaration)を添付します。パスポートは日英併記なので翻訳不要との見方もありますが、翻訳文も貼付するの
が保守的です。

・住所証明書
住所証明用の資料としては、運転免許証、国際運転免許証、住民票の写し、戸籍謄本が一般的です。
国際運転免許証は英文で記載されているので翻訳が不要でお勧めです。
日本語文書の場合は、英語翻訳と英文宣言書を添付します。身分証明書と住所証明書を一括りにして、一枚の英
文宣言書内で双方の書類翻訳の正確性を宣言することで、公証に係る費用を抑えることができます。

なお、工程②PANの取得と③DSCの取得にそれぞれ原本が必要となるため、二部用意しておく必要があります。
工程④DINの取得は原本不要で、スキャンデータのみで手続きが完了します。

②PAN(Permanent Account Number)の取得

Form 49AAフォームを下記サイトからダウンロードして記入、写真を貼付して必要情報を記入します。

クリックして103120000000007918.pdfにアクセス

なお、以前はインド国税務上の非居住者にはPANカードの取得が不要とされていました。
当ケースでは新取締役が(インドへの出張日数が年間182日を越えないと仮定すると)税務上非居住者となるので
従来のルールでは不要な筈ですが、2018年4月1日のFinance Act 2018の139A条の修正により、インド法
人の全ての取締役はPANカードの取得が義務付けられました。未取得の場合、罰金がRs.10,000となります。
補足ですが、同条は新しく取締役を追加する場合に限らず、従来の取締役も含め、すべての取締役が対象となる
点にご注意ください。

今週は以上となります。

Tokyo Consulting Firm Private Limited
チェンナイマネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る