『インド会計の簡単解説』プロジェクト費用と工事契約編

会計

皆さん、こんにちは。
インド・バングラデシュ統括の小谷野です。

現在、バングラデシュに出張をしております。3月に入り既に10日もゼネストが起き、バングラデシュでは、次回の選挙まで忍耐の期間となりそうです。

バングラデシュでもインドでも最近は、工場の設立現場をよく目にします。今回は、その【工事やプロジェクトの収益認識】について解説したいと思います。

■工事契約の関わる会計基準
インドでは、India Accounting Standard 7によって工事契約の関わる会計基準が明記されています。通常の売上高を計上するための基準は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限ります。しかし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積り、これを当期の損益計算に計上することが可能となります。

インドでは、工事収益について工事進行基準と工事完成基準の2種類に大別することができます。この基準の違いについては、工事やプロジェクト期間や企業の○によって様々となります。
下記の様になります。

①工事進行基準について
工事進行基準は、発生主義に基づき、決算期末に工事進行程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上します。

工事進行基準(INR)

受注時 期末時 完成時
見積総原価 発生原価 発生原価
1,500,000 900,000 600,000
受注金額 売上高 売上高
2,000,000

①期末時における売上高
(900,000÷150,000)×200,000=120,000
②完成時における売上高
(600,000÷150,000)×200,000=80,000

②工事完成基準について
工事完成基準は、実現主義に基づき、工事が完成後、その引き渡しが完了した日に工事収益を計上する方法となります。インドでは、1年以内に完了予定の工事やプロジェクトについて使用されることが一般的です。仮に決算期末をまたぐ際には、工事進行基準をベースに再計算を行い、工事収益率によって当期損益計算に期末での財務状況を記載します。

工事完成基準(INR)

受注時 期末時 完成時
見積総原価 発生原価 発生原価
1,500,000 150,000
受注金額 売上高 売上高
2,000,000 200,000

③期末時における発生原価
資産計上して繰り延べます。
④期末時における売上高
認識しません。

このような工事やプロジェクトに含まれる費用なども長期に渡ると売上や費用に対して大きな影響を及ぼします。ぜひ、もし少しでビジネスや取引、税務スキームに気になる点や不安などありましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

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