会社法上の定足数・議決権数

 みなさん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、タイオフィスの長澤です。
 今回は、タイの会社法上の定足数・議決権数についての質問をみてみましょう。 

Q. 現在タイで合弁での法人設立を検討しています。出資比率によって株主の議決権等が変わると思いますが、何を基準に決定すべきでしょうか

A.非公開会社においては、取締役の選任、配当、決算書の承認等の普通決議では定足数は25%以上、決議は出席株主の過半数、一方定款変更、増資、合併等の特別決議は定足数、決議要件ともに75%以上となります。

 外国投資規制との兼ね合いもありますが、過半数や75%を基準として出資比率を検討することをお勧めします。

 また、タイでは優先株式を発行する際に、配当だけではなく議決権についても任意に設定することが可能です。たとえば普通株式は1株に1議決権とし、優先株式は10株につき1議決権とすることで、持分比率にかかわらず議決権においてマジョリティーを占めることが可能となります。

 優先株式の発行とその要件については定款に記載することが可能です。

参考として基本定款、附属定款に記載する項目の一例も記載します。

◆基本定款項目/Memorandum of Association
・会社名:Name of the Company
・本店所在地:Principle Office Shall be situated in
・会社事業目的:The Objective s of the Company
・資本金払込にかかる宣誓
・登録資本金:Registered Capital
・発起人:Promoter
・ウィットネス:Witness 

◆附随定款項目/Articles of Association
・一般約款:General Clause
タイの法律に従う旨、定款修正は株主総会特別決議により行う旨 

・株式及び株主:Shares And Shareholders
各株主の保有株式割合、数、優先株式(preferred stock)、譲渡制限
※配当、議決権等にかかる優先株式(preferred stock)の設定が不要の場合該当箇所は削除、調整が可能です。
※譲渡制限は一般的な優先買取権、取締役決議の必要性について一般的に記載します。 

・株主総会:General Meeting
6ヶ月以内の総会開催、年次総会の開催、開催通知(普通決議:7日以前、特別決議:14日以前)、開催場所、代理投票、各株主の議決権、特別決議事項、議長の選任
※各株主の議決権は、1株につき1議決権、2株につき1議決権、など株主ごとに区分することが可能です。
※特別決議事項は
・基本定款の変更
・登録資本金の増資
・解散
・合併
・新株発行時の現物出資
としております。
※議長はデットロック時に追加投票出来る旨の文言を入れるケースが多くあります。 

・取締役及び監査人:Directors and Auditors
株主総会での選任、3分の1ごとの役員の交代、開催通知(7日以内)、監査人の選任、 

・会計:Books and Account
会計帳簿の作成、保管、会計期間、監査対応(決算日より4ヶ月以内) 

・配当及び積立:Dividend and Reserve
配当時の利益額の20分の1の積立(資本金の10分の1まで)
※配当時の積み立ては会社法上の規定となります。 

・増資:Increase Capital
特別決議による増資、優先引受権 

以上

東京コンサルティングファーム
長澤 直毅

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2019-10-23

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