
こんにちは。
TCF(Thailand)の高橋です。
今回からはタイの税務第に関して第4回目です。
第4回はタイの法人所得税(損金)に関してみていきましょう。
【損金の額】
損金の額についても、益金同様、発生主義により認識を行います。
損金算入に制限のある規定は下記のとおりとなります。
・減価償却費の計上
(a) 取得価額
取得価額については購入代価に運送費、関税、設備費用、試作費、その他取得のために要した費用を加えたものが取得価額となります。
また、日本と違い、借入の金利を取得価格に含める必要があることが特徴的です。
固定資産の償却開始時期
資産の償却開始時期に関しては、日本の場合、資産を事業用に供した時からですが、タイでは資産が使用可能になった時からになります。そのため、資産を引受けた時点から償却が開始します。
資産を検証する段階では償却を開始する必要はありませんが、量産のための試運転をしている状態では償却を開始しなくてはなりません。
有形固定資産計上の金額基準
日本では、計上の基準が法人税法で定められていますが、タイでは会計上も税務上も決められた基準がありません。そのため、理屈上は1バーツ以上で1年以上使用する資産が固定資産となります。
(b) 減価償却方法
減価償却の方法については、内国歳入法において別段規定はされていないため、基本的には会計上の償却方法に従う形となります。実務上は、定額法、定率法、特殊定率法、級数法などの方法により償却されます。
Q:タイにおいて、有形固定資産の計上について、資産の金額が僅少であっても計上する必要があるのでしょうか。
A:日本の法人税法では、少額減価償却資産の損金算入に関する規定が明示されていますが、タイにおいてはこのような規定は存在しておりません。
そのため、その有形固定資産の金額が僅少であったとしても、上記の通り、その資産から1年以上に渡って便益を享受できる場合には固定資産に計上する必要があります。
しかし、実務上では、少額の固定資産までもすべて計上していると固定資産の管理上や処理上の煩雑さの点から一定の基準を設けて、費用処理する方法も行われています。
この一定の基準として参考になるのが日本の税法上の金額であり、これを物価水準や為替レート等を考慮して設定するのが望ましいと言えます。
そして、この基準は税務調査等の際にも説明資料になりますので、基準を明確にして、一度定めたルールは為替レート等が大きく変動したなどの合理的がない場合は、継続して適用する必要があると考えます。
■300万THBの車を買った場合
100万THBまでしか減価償却出来ません。そのため超過分の金額(200万THB)は減価償却できず損金経費になりません。
日本では、事業のために供する車なら、全額が減価償却可能です。
(c) 特別償却
研究開発のための資産や、コンピューター機器を取得した場合、一定の場合に、通常の償却費に加えて特別償却費も損金の額に算入することができる場合もあります。
以上、タイの固定資産に関する法人所得税の基本でした。
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