皆さま、こんにちは。
バンガロール支店マネージャーの坂本です。
業績不振など様々な理由によりインド市場から撤退する企業の問い合わせが増えています。
インドでは、会社設立は約3~6カ月程度で完了できる一方、閉鎖の手続きは数年にわたるなど長期に及ぶことがよくあります。まず、撤退が決定した企業の最大の心配ごとは、従業員の解雇、閉鎖に係る費用の把握、スケジュールの部分ではないでしょうか。今週は、2013年新会社法に準拠した閉鎖手続きについてご紹介したいと思います。
2013年新会社法の施行により会社の撤退方法について、いずれかの方法による清算手続きが認められています。
・会社登記抹消(ストライク・オフ=Strike Off)
・自主清算(Voluntary Winding Up)
※インド人担当者に対するコミュニケーションでもこの単語を使用していただくと意思疎通がスムーズです。
自主清算の場合、公式清算人が必要となり、会社の規模によっても異なりますが、通常1年以上かかる大がかりな清算手続きが必要となります。一方、一定の要件を満たす場合は、ストライク・オフと呼ばれる簡便的な閉鎖手続きで清算することが可能で、半年程度で閉鎖手続きを完了することができます。
ストライク・オフを申請するための条件は以下の通りとなります。
① 設立後一切の事業活動を行っていない、もしくは、過去2年間事業を停止して休眠状態であること
② 資産・負債を有さず、銀行口座が開設されていない、もしくは、閉鎖されている状態であること
③ 将来いかなる負債事由が発生した場合においても、会社の取締役が全責任を負うといった内容の宣誓供述書と賠償契約書を 提出すること
④ 係争中の訴訟案件がないこと
⑤ 未納の税金や政府機関等に対する債務がないこと
ストライク・オフの申請は、会社登記局(ROC)に対して行います。
特に②の条件として、原則的には銀行口座が閉鎖されている企業とされていますが、100万ルピー未満の少額の預金残高をもつ会社についても、ストライク・オフの適用を受けることが出来るケースもあります。
しかし、現預金残高が高額の会社については、この方法を適用することが出来ないため、通常の自主清算の手続きに沿って進めていただく必要があります。
来週は、自主清算の手続きについて、詳しくご紹介させていただければと思います。
弊社では、閉鎖申請についても数多くの相談を受けており、会計・税務、人事労務、行政の対応まで幅広くサポートを行っております。
個別のご相談等ございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
今週は、以上です。
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バンガロール支店マネージャー
坂本 佳代(さかもと かよ)
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