『インド税務なんてへっちゃら』在庫移動の注意点編

税務

皆さん、こんにちは。
インド統括の小谷野です。

本日は、【在庫移動の注意点】について紹介をしたいと思います。

通常、他州へ物品を販売する際は、CSTが課税されます。しかし、他州へ在庫移動すること自体には販売行為とはみなされず、もちろんCSTの課税対象ともなりません。

こちらは、多くの方がご存じだと思いますが、本日のテーマである【在庫移動の注意点】とは、ずばり【Invoiceの発行場所】によっては、CSTが課税される可能性があるということです。例として、下記2例を紹介します。

【前提】
Delhiに拠点を置くA社から、Uttar Pradesh州にあるA社倉庫に在庫を移動し、同州のB社へ販売する。A社は、Delhi内の企業から仕入れており、B社は、Uttar Pradesh州内で消費者へ販売する。

Delhiでは、VATを4%とし、CSTは2%とする。
Uttar Pradesh州では、VATを5%とする。

①A社倉庫(Uttar Pradesh州)からB社(同州)へinvoiceを発行した場合
A社倉庫(Uttar Pradesh州)から商品をB社へ輸送し、かつinvoiceの発行を倉庫からすることによって、通常の在庫移動からの同州内取引とみなされます。その結果、A社は、B社から受け取る税金(Output VAT)からA社が元々仕入れ時に支払った税金(Input VAT)を控除することが出来ます。又、B社にとっては、A社倉庫への税金支払いはinput VATとなります。

注)①のように在庫移動を行う前には、【F Form】をSales Tax Depr.から入手しておく必要があります。又、A社はF Formを、Uttar Pradesh州に提出する流れになります。

②A社(Delhi)からB社(Uttar Pradesh州)へinvoiceを発行した場合
当該取引に関しては、「他州からの販売」としてSales Tax Depr. (Uttar Pradesh州)から判断され、A社は、B社からうけとる税金(Output CST)からA社が元々仕入れ時に支払った税金(Input VAT)を控除することが出来ます。この時点で①と②での税務スキームが、異なることがわかると思います。

加えて、A社からの納入を受け、B社が同州内で販売した場合には、A社からの仕入れに関わる税金(Input CST)と同州内での販売に関わる税金(Output VAT)が生まれます。特に、Input CSTは、Output VATと控除できないため、そのままB社のコストとなってしまいます。それゆえ、B社はA社に対して、コスト分の値下げもしくは、販売先の価格がコスト分上昇し、取引価格に影響を及ぼすため注意が必要です。

この様に、在庫移動は、Invoiceを発行する州によって、必要な手続き【VATやCST、取引申請書類(F Form)、税額控除申請書類(C Form:2月11日分で紹介済み)】が、変わってきます。是非、こういった点に注意をして頂ければと思います。

もし、少しでもビジネスや取引、税務スキームに気になる点や不安などありましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

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