インドにおける監査について

Tokyo Consulting Firm Private Limited

デリー統括マネージャー

中村 匠吾(なかむら しょうご)

TEL: +91 9599458263 / E-MAIL: nakamura.shogo@tokyoconsultinggroup.com

 

皆さん、こんにちは。

 

 

今週も皆様から寄せられたご質問についてお答えしていきます。

では早速・・・

 

Q: 

インドには監査の種類が沢山あると聞きましたが、どのような監査があるのでしょうか。

 

A: 

インドには会社法上、会社の規模・条件に応じて実施義務のある監査が異なります。

下記の表にてまとめたので参考にしてください。

 

法定監査

Statutory Audit

全てのインド会社に義務付けられる財務諸表についての監査

損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、注記表、監査報告書の作成が求められます。

税務監査

Tax Audit

所得税法に則り、一定の条件で法定監査とは別に受ける監査

前年に2,000万ルピー以上の売り上げを計上した企業に求められます。

内部監査

Internal Audit

不正や詐欺行為、過失等を事前防止するために行う監査

①上場会社

 

②前会計年度において、

・資本金が5 億ルピ ー以上

・売上高が 20 億ルピー以上

・負債総額が 10 億ルピー以上

・未払い預り金が 2 億 5000 万ルピー以上

のいずれかの要件を満たす公開会社

 

経営リスクの認識や資産管理の強化、効率的な業務フローの設計、取引プロセスの改善、コーポレートガバナンスの徹底を行う必要があります。

移転価格監査

Transfer Pricing Audit

・勅許会計士による移転価格証明書(Form3CEB)の作成及び税務当局への提出

関連会社間での取引が1ルピー以上ある場合、義務化されています。

・移転価格レポート(TP Study)の作成及び保管

国外の関連会社間取引が1,000万ルピーもしくは国内での関連会社取引が25,000万ルピーを超える場合、作成が義務とされています。

特別監査

Special Audit

中央政府の判断により任命した特別監査人による監査

民間企業の所得隠蔽(いんぺい)、納税額の過少申告、資産の過小評価などが疑われる場合、政府は特別監査の実施を命じることができます。

原価監査

Cost Audit

中央政府は、生産、加工、製造または鉱業を営む会社に対する原価計算士

による監査を命じることができます。

 

 

補足点として下記2点を追記しておきます。

1、

内部監査における内部監査人の変更は経営陣の判断によるため容易ですが、

法定監査人は、年に一度の定時株主総会もしくは監査人自身の辞任による変更が一般的となるので、

仮に変更をする際は適切な手続きを行うことや監査人から同意を得ることなど注意をする必要があります。

 

2、

移転価格証明書(3CEB)が未提出だった場合、ペナルティーとして10万ルピーが課せられます。

移転価格レポートの保管/提出を怠った場合、取引価格の2%がペナルティーとして課されます。

 

 

本日は以上です。

 

 

東京コンサルティングファーム

中村 匠吾

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limitedは、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

 

 

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