ラオスの貿易

お世話になっております。
TCFタイ兼ラオスの高橋です。

今週は、ラオスの貿易に関して記載していきたいと思います。

南北1,500㎞にわたり国土を横断しているメコン河の豊富な水資源を生かした発電事業がラオスの経済を牽引しています。25カ所の水力発電所の発電能力3,244MWは国内需要の3倍を超え(2014年11月時点)、発電量の約8割が輸出されています。
輸出額の26%(2017年時点)を電力が占め、銅と並ぶ主要輸出品目となっています。
銅といった鉱業産出品に関しては、中国資本の入ったランサンミネラル社がセポン鉱山など、外資による大掛かりな開発は、2003年頃に生産開始に至ったものであるにも関わらず、わずかその5年後には、資源価格の高騰などの追い風もあり、ラオスの全輸出額の6割近くを占めるに至りました。
その後、リーマンショックなどで資源高にも歯止めが掛かり、ラオスの鉱物輸出も一時期ほどの勢いはありませんが、それでも同国の輸出の四分の一の割合を占めています。このように鉱物輸出は、政府の認可を受けた少数寡占企業による、いわば国策事業といえます。

ラオスの輸出構成で、電力に続くのは、銅、農業の林産物、縫製品、金、コーヒー、木材製品の各品目です。

輸出品目の大きな変化としては、2016年までは5割以上を木材輸出が占めていましたが、2016年5月13日付で発出された首相命令第15号による木製品の輸出の厳格化に関する法令の影響により、年々鉱物資源の割合が拡大しています。この法令は木材伐採、木材輸送、木材ビジネスの管理と監督の厳格化、またあらゆる半加工・未加工木材の輸出を禁止する旨が定められているものです。さらに2018年1月3日付で発出された商工大臣合意(改正)第0002号では加工木製品について、規定の用途・サイズを超える加工木製品の輸出は規制対象となっています。

【主要輸出品目】(2017年)

出所:Lao People’s Democratic Republic [Annual Economic Report 2017]よりTCF作成

輸出の主要相手国としては、近隣国であるタイ、中国であり,この二国で全体の6割以上を占めています。鉱物資源の輸出については、タイ、ベトナム、スイス、中国が9割を占めます。縫製品は欧州向けが中心で、6割以上をイギリス、ドイツ向けに輸出しています。

電力の輸出については、タイを含め近隣国に輸出しているように、タイの影響力が非常に大きいのは確かですが、近年では隣国のベトナム、カンボジア、ミャンマーをはじめ、多国貿易が増加しています。
また、日本への主要輸出品としては、衣類・同付属品で33.5%(2016年)になりますが、日本からの輸入品としては、輸送用機器が59.5%を占めています。

【主要輸出相手国】(2017年)

出所:JETROよりTCF作成

一方、輸入品では、基本的な消費財、すなわち工業製品を生み出す自国産業が発達していないため、車やトラックなどの運搬車両、機械、化学製品などが対象になります。また、資源産出国ではあっても化石燃料を産出しないため、燃料も輸入しています。近年では経済拡大に伴って、こうした工業資材の輸入額も増えており、輸入価格の上昇が外貨準備高の減少を招くような事態も起こっています。

輸入の相手国をみると、タイが単独で約7割のシェア占めています。
対日貿易については、長年、日本への輸出超過で推移しており、2017年も日本からの輸入が約130億円であるのに対して、日本への輸出は約168億円となっています。
なお、日本からは主に乗用車やバス・トラック、建設機械等を輸入しています。

以上、弊社ではラオスビジネスにおいて進出サポートから設立後業務まで一貫してサポート可能でございます。
何かご質問等ありましたら、ご連絡頂ければと存じます。

 

 

 

 

東京コンサルティングファーム タイ拠点

髙橋周平

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