整理解雇に伴う整理解雇金の支払いについて

法務

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ シンガポール拠点の田中 勇です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「整理解雇に伴う整理解雇金の支払い」についてお話していこうと思います。

 

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【整理解雇に伴う整理解雇金の支払いについて】

従業員を雇用している会社が事業縮小、もしくは閉鎖をする場合、整理解雇(Retrenchment)という選択肢を取らざるを得ない場面が少なくありません。シンガポールでも、整理解雇の件数は増加の件数にあり、人的資源省(MOM)の発表によると、2023年第3四半期では、4,100件もの整理解雇事例が報告されており、前四半期から900件の増加になっています。今回は実際に整理解雇を進める際の実務において、経営陣を最も悩ませる項目の1つとして、「整理解雇金」の取り扱いについて、解説します。

 

1.整理解雇対象の従業員に対して、そもそも解雇金って支払わらなければいけないの?

結論から言うと、整理解雇金は支払わなくても違法ではありません。唯一違法になるのは、雇用契約書で、整理解雇される場合に解雇金が支払うことが定められていたにも関わらず、支払われなかったケースですが、整理解雇の条項を盛り込んだ契約書が締結されることは殆どの場合はありえません。(どの企業も整理解雇を前提に従業員を雇うことはしないでしょう。)そもそもリストラ(事業再編)をしなければいけない企業ですので、財務的に余裕が無く厳しいことが殆どです。支払わないことに対しての違法性が無い一方で、MOMは”可能な限り”支払うべきという立場と、支払う場合の考え方についてガイドラインを示しています。長年勤続した社員の雇用を打ち切らなければいけないことも多く、実態としては多くの企業が解雇金を支払いを行っています。

 

2.払う場合、対象者全員に払わなければいけないの?いくら払えばいいの?

MOMが示すガイドライン上、整理解雇金の支払い対象は勤続年数2年以上の従業員になります。支払額に特段の定めはありませんが、一般的には2週間~1か月×勤続年数分が妥当とされています。この点は交渉により決定することが可能ですが、下限の2週間はできれば下回らないのが好ましいでしょう。(もちろん、財務上支払い不可能(Insolvency)な場合はこの限りではありません)

 

3.対象外のスタッフに対しては?

原則は前述の通り、勤続年数2年以上の解雇対象従業員のみが対象となりますが、2年未満の従業員に対しても支給することも勿論支給することもできます。この場合は、対象者に対してのRetrenchment Benefitという表現でなく、Goodwill Paymentやex-gratia payment といった表現に変えて、解雇通知(Termination Letter)上に記載します。任意で会社が支給するという意味合いを本人に伝えることで、金額などに対しての揉め事を防ぐ効果があるためです。

 

今回は以上となります。

整理解雇における実務上のアドバイスをお求めの際は、お気軽にご相談ください。

 

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