フィリピン労務④~法定休暇

労務

 

こんにちは!
東京コンサルティングファーム・マニラ支店の野島です。

前回のブログではフィリピンの労働時間について書きました。

今回は有給休暇やその他の法定休暇について書いていきます。

 

〜有給休暇(Service Incentive Leave: SIL)
フィリピンでは12ヶ月以上勤務した全ての従業員に有給休暇を最低5日与えなければなりません。また、日本と異なり、最低付与日数である5日分が未消化分である場合は雇用者が買い上げる義務が発生致します。

買い上げ時の計算方法は以下のようになります。
月額の基本給×12ヶ月÷261(週休2日の場合の年間の労働日数)
となります。

尚、通常の有給休暇以外は買い取りの義務はありません。

 

〜出産休暇(Maternity Leave)
出産休暇について従来は60日間でしたが3月に法改正し、105日間に拡大されました。シングルマザーの場合には追加で15日間が付与されます。
また以前は4人目までの出産が対象となっておりましたが、人数の規制は撤廃されました。
更に日本と大きく異なる点として挙げられるのが、出産休暇手当が存在することです。出産休暇期間、週の平均賃金に基づく給与の金額を一括立替払いするものです。これは社会保障制度でカバーされており、雇用主の申請により後日社会保障制度より支払いを受けることができます。

 

〜父親休暇(Paternity Leave)
配偶者が出産した場合に、出産から60日以内に7日間の有給休暇が与えられます。
更に上記休暇とは別に3月の法改正により、上記の出産休暇のうち7日間を父親休暇として分け与えることができるようになりました。

 

〜シングルペアレント休暇
1年以上勤務した片親である従業員に対して、シングルペアレント休暇という年7日間の有給育児休暇が与えられます。

 

〜暴力の被害者に対する休暇
暴力の被害にあった女性従業員に対して、10日間有給休暇が付与されます。
※共和国法9262法に定められた暴力が対象になります。

 

〜女性に対する特別休暇
過去12ヶ月の期間内に6ヶ月以上義務した女性従業員は、2ヶ月以上の婦人科疾患手術を受ける際に、特別休暇という形で有給休暇が与えられます。

 

フィリピンでは上記のように多様な法定休暇が定められています。
上記の休暇を概観しても分かるようにフィリピンでは女性や子供に対する配慮が深くなされている仕組みが存在しています。

 

次週もお楽しみください。

 

 

東京コンサルティングファーム フィリピン・マニラ拠点
野島洋孝

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