【マレーシア:労務】ESDアカウント稼働プロセスについて ※必要資料記載あり

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Tokyo Consulting Firm Sdn. Bhd.の安孫子で御座います。

 

マレーシアで就労ビザ/許可証を取得する際には、企業からESD(Expatriate Services Division)に申請を行い、ESDより審査されます。なお、2014年4月より、申請と審査の効率化を図り、オンライン上での申請が導入されました。オンライン上で申請を行うために本記事で取り扱うESDアカウントが必要となります。
本記事では、直近のESDアカウントに係る変更事項を記載し、ESDアカウント稼働のプロセスについてまとめます。

 

目次

【1.直近のESDアカウントに係る変更事項】

マレーシアの就労ビザ/許可証は、事業に係る関係政府省庁によって管理される傾向にありましたが、現状はマレーシア出入国管理局駐在員サービス部門(ESD:Expatriate Services Division)に統一されつつあります。2020年8月以前はマレーシア投資開発庁(MIDA:Malaysian Investment Development Authority)によって、製造業・駐在員事務所に係る就労ビザが管理されていましたが、同年9月より、ESDへと管理が移管されています。
なお、マレーシアデジタル経済公社(MDEC:Malaysia Digital Economy Corporation)の管轄であるIT企業等の就労ビザ/許可証取得の申請は引き続き、MDECにて管轄されます。

 

【2.ESDアカウント稼働のプロセスについて】

ESDアカウント稼働は下記4つのステップから成ります。

1.各種事業ライセンス申請-取得

-所要期間:各種事業次第
-備考:
事業運営の適格性、企業コンプライアンスの遵守を示すために企業活動に必要なライセンスの取得を完了させる必要があります。
※後述しますが、企業の実働を証明するために、法人の銀行口座明細等の提出も求められます。

2.ESDアカウント稼働申請の際に提出する必要資料の準備

-所要期間:1-3ヶ月
-備考:
ESDアカウント稼働申請時に、外国人の雇用を認めるに足る企業であることを証明するために、下記資料の提出が求められます。

[ESDアカウント稼働申請に係る必要資料]

  • 全ての取締役と雇用パス申請予定者のパスポートコピー
  • 会社事業案内
  • 直近3ヶ月の固定電話に係る請求書
  • オフィス賃貸契約書
  • Latest e-SSM Printout
  • SSM Form 9 / Section 17
  • SSM Form 24 / Section 14
  • SSM Form 49 / 58
  • 直近の監査報告書
  • 地域管轄当局による営業許可証
  • 直近3ヶ月の法人口座明細

取得に期間を要する資料もあるため、1.と並行して、スケジュールを立てて用意する必要があります。

3.ESDアカウント稼働申請-ESDアカウント稼働承認取得

-所要期間:2-4ヶ月
-備考:
ESD当局のホームページより、企業の仮ESDアカウントを作成し、オンライン上で必要資料の提出・ESDアカウント稼働の申請を行います。資料内容が不十分であったり、詳細の確認が必要であると判断された場合、取締役もしくは企業の実情を知る者が当局に訪問し、当局オフィサーと面談を行う必要があります。
なお、厳密にはESDアカウント稼働の申請時にプロジェクション*の申請も行えるため、下記資料の提出も可能です。

[プロジェクション取得申請に係る必要資料]

  • 職務定義書
  • 赴任予定者の履歴書
  • 赴任予定者の最終学歴証明書
  • 赴任予定者のマレーシア赴任に係る推薦書
  • その他ESDによる審査に合わせて要求される追加資料

*就労ビザ/許可証を取得するための枠を指します。就労ビザ取得の申請を行う前に、企業として就労ビザ取得の申請を行うための枠を初めに確保します。なお、就労許可証はプロジェクションの承認に続く形で申請を行います。

4.ESDアカウント本稼働申請-本稼働

-所要期間:2週間-1ヶ月
-備考:
ESDより、ESDアカウント稼働の承認を得たのち、本稼働させるために登記された取締役がESD当局を訪問し、本稼働申請を行う必要があります。この作業自体は営業日1日で完了しますが、当局のアポイントメントを取得に2週間から1ヶ月ほど要する場合があります。なお、当日もしくは翌日より当該アカウントを用いて就労ビザ/許可証取得の申請を行うことが可能です。
※上記所用期間は、各企業、赴任予定者が申請要件を満たしているか否か、によって大きく変動します。

 

【3.まとめ】

会社設立初期、事業の実現性は駐在員が赴任できるか否かによる企業が多いと考えられます。初参入となる場合には、各種法制度や企業運営に係る業務について調査する必要があり、ESDアカウントの稼働を含めた就労ビザ/許可証取得プロセスの確認もその調査の一つです。本記事ではESDアカウント稼働申請についてまとめましたが、就労ビザ/許可証申請時の要件や注意事項については別途記事にて記載します。
弊社では、会社の設立から就労ビザ/許可証取得のサポートを行っております。初進出の企業向けの事業運営の展望に合わせたスキームの提案をしておりますので、ぜひお問い合わせください。


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東京コンサルティングファーム マレーシア拠点 / Tokyo Consulting Firm Malaysia
安孫子 悠治 (abiko yuji)


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