Tokyo Consulting Firm Private Limited
デリー統括マネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)
TEL: +91 9599458263 / E-MAIL: nakamura.shogo@tokyoconsultinggroup.com
皆さん、こんにちは。
今週も皆様から寄せられたご質問についてお答えしていきます。
Q:
今年、SVB制度に変更点があったと聞きましたが、具体的にどのようなものでしょうか。
A:
インド中央物品関税局は、企業の親子間取引に関する輸入者の手続きを改善する目的で、オンライン化、預かり金の軽減、除外項目の拡大などを盛り込んだ通達を2016年2月9日付で発表し、即日施行されました。
SVB制度の概要と変更点を下記します。
<変更前の概要>
インドにおいて、通関前の輸入貨物は保税区域内で保管されますが、保管料としてEDD(Extra Duty Deposit)と言われる担保金(デポジット:CIF価格の1%)を一時的に預け入れる決まりがあります。また、輸入者側は当局から要求された質問状に30日以内の回答義務があり、30日を過ぎるとデポジットが取引価格の5%に跳ね上がりました。関税当局は回答書を受け取り次第、取引価格の妥当性などの審査を行いますが、企業にさらなる詳細説明を要求するなどし、結果的に判断までに数ヵ月を要する場合がありました。当局が判断を下すまでに不当に時間をかけるケースや、返金が前提のデポジットが何度も督促しなければ返金されないケース、不当な金銭の支払を要求されたというケースも後を絶ちませんでした。
<変更点>
(1)質問状への回答期限が従来の30日以内から60日以内に拡大したと同時に、期間内に回答すれば、追加の貨物保管料のデポジット支払いが不要になりました。
(2)SVB承認を得た取引の更新義務が部分的に免除されました。
(3)中古機械やサンプルなど、250万ルピー以下の(同一会計年度における)取引はSVB審査の対象外となりました。
通関手続きの現状としてはインボイスに記載の輸出者名と輸入者名が異なっていれば、資本関係がある親子間の取引であっても通常の輸入取引と見なされる場合が多く、SVB審査が行われないケースが多かったようです。これからの運用実態が変わっていくのか、充分留意する必要がありそうですね。
今週は以上です。
来週は関税額の算出方法について見ていきたいと思います。
東京コンサルティングファーム
中村 匠吾
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