SVB制度について

Tokyo Consulting Firm Private Limited

デリー統括マネージャー

中村 匠吾(なかむら しょうご)

TEL: +91 9599458263 / E-MAIL: nakamura.shogo@tokyoconsultinggroup.com

 

皆さん、こんにちは。

 

 

今週も皆様から寄せられたご質問についてお答えしていきます。

 

Q:

インド子会社が日本親会社から商品を輸出入する際に、SVB制度の対象になると聞きましたが、SVB制度とは何でしょうか。また、要求される書類はありますか。

 

A:

インド子会社が、資本関係のある海外関連会社から物品を輸入するとき、SVB(Special Valuation Branch)制度の対象になり、取引価格の証明が求められます。SVBとは、インド内国法人と国外関連会社間での親子間、兄弟間取引において公正取引を監視するための機関であり、関税法(Indian Custom Act)に準拠した組織です。これは関連会社間で実際の金額よりも低い価格で取引されることによる、関税収入の減少を防ぐためのものです。

 

1)輸出入者の会社名が類似している

2)商社等が輸出入の出資者であり、インド市場価格を大きく逸脱する商取引が行われている

 

と判断される場合、国税庁の管理下にある貿易管理局へ書類を提出し、商取引が親子間・兄弟間である旨の報告を行わなければなりません。

 

【提出書類一覧】

1

買取授権書

Letter of Authority

2

輸入価格が当局に承認される旨の簡易理由書

Brief submission in writing as to why the import prices should be approved by the department

3

会社の基本定款、附属定款

Memorandum & Articles of Association of the firm

4

インド輸入社と輸出間で締結されている契約書類

Copies of all agreements between the Importer and Supplier/Joint Ventures etc

5

質問状への回答状

Reply to Questionnaire

6

承認を受けた場合、インド準備銀行からの証明書

Reserve Bank of India Approval, if any

7

承認を受けた場合、工業事務局からの証明書

Secretariat of Industrial Approval, if any

8

直近3年間の財務諸表

Annual Reports for last 3 years

9

資本財、材料、部品等、初回の輸入からの輸入報告書

Statement of import of capital goods, raw materials, spares & components from the first import

10

技術、ノウハウ支援量、ロイヤルティ取引に関する納付書

Statement of payment of lump sum, technical know-how fees and royalty on import and export payment

11

サプライヤーからの第三者輸入請求書

Third party import invoice from supplier

12

請求書などのゼロックスサンプル

Xerox samples of a few Bills of entry and invoices

13

その他関連書類

Any other relevant documents

14

輸入企業の恒久的税務番号

Permanent Account Number(PAN) of the importer/company

15

輸入企業の輸出入業者コード(IEC)

IEC No. of the  importer/company

 

※2 関税評価額であるCIF価格の妥当性に関し、関税当局から輸入者に詳細な説明が求められ、輸入者は各種書類を提出してCIF価格の正当性を説明することになります。一度SVB制度によって承認された取引は3年間有効となります。

 

また、上記項目に関連して、SVBより質問状がインド子会社に届く場合があります。この質問状に対して輸入企業は回答書を提出する必要があり、これを怠ると、輸入業務に支障をきたす可能性があります。質問状の対応は、通関業者(CHA: Custom House Agent)に委託するケースが多く、通常このCHAは物流会社と接点が多いため、対応の際はインド子会社と取引のある物流業者に相談している会社が多いようです。

 なお、インドのCHAは地域ごとに強固なネットワークがあり、CHA同士の顧客の取り合いはタブー視されているため、一度使ったCHAはずっと付き合っていくのが通常とされています。業者選定には慎重に対応せざるを得ないことに留意が必要です。

 

 

今週は以上です。

来週はSVB制度の改正点について触れようと思います。

 

 

東京コンサルティングファーム

中村 匠吾

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limitedは、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

 

 

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