皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の北岡 光里です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「ISD登録の義務化について」についてお話していこうと思います。
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ISD登録の義務化について
概要
インドは2025年4月1日より、GST(物品サービス税)規制の大幅な改正を実施し、Input Service Distributor(ISD)メカニズムを義務化します。この制度は、単一拠点で利用される共有サービスに対する税金の適切な分配を確保し、州政府が正確な税額を徴収できるようにするものです。
改正の目的
この新規制の主な目的は、企業の複数の支店や拠点間でのインプット税額控除(ITC)の配分を改善することです。ITC配分を一元化することにより、透明性の向上、統一的なコンプライアンス、効率的な税額控除管理を実現します。この変更により、税金配分の不一致を防ぎ、GST制度内の説明責任を強化することが期待されています。
適用対象
ISD登録の義務化は以下に適用されます:
- 同一PAN(恒久口座番号)下で複数のGSTIN(GST識別番号)を持つ企業
- 共通インプットサービスの請求書を受け取る事業体
- 集中化されたサービスコストを持つ企業
- サービスベースの組織
企業への影響
企業はITCの円滑な分配とコンプライアンスを確保するため、税務管理システムを新要件に適合させる必要があります。主な対応として:
- 共通インプットサービスの請求書を受け取る事業体のISD登録取得
- 各支店の売上高に基づいてITCを比例配分するシステムの確立
- ISD申告書(GSTR-6様式)の期限内提出
未登録の場合の影響
2025年4月1日以降、対象企業がISDとして登録しない場合、以下のような深刻な問題に直面する可能性があります:
- 罰金、利子負担、ITC配分の混乱
- GST監査と税務当局による精査のリスク増大
- 最大10,000インドルピー(約117米ドル)またはITC額のいずれか高い方の罰金
- ITC請求の取消しによるキャッシュフローへの悪影響
- 不適切なITC請求に関する税務通知
- 複数拠点間の税額控除配分の困難さ
ISD登録プロセス
ISDは複数の支店で使用されるインプットサービスの請求書を収集し、ITCを適切に配分する責任を持つGST登録事業体です。登録プロセスは以下の手順で行われます:
- GST公式ポータル(https://reg.gst.gov.in/registration/)にアクセス
- GST REG-01様式に記入(シリアルNo.14でISDステータスを選択)
- 一時的参照番号(TRN)の取得と確認
- GST REG-01申請書の完成
- 税務当局による承認
- ISD GSTINの取得
- ITC配分の開始
コンプライアンス要件
ISD制度の下では、税額控除の配分は厳格なガイドラインに従う必要があります:
- 当該月に利用可能な控除を超えるITC配分は禁止
- 翌月13日までにGSTR-6様式の提出
- 受領支店はGSTR-6A様式で配分された控除を確認し、月次GSTR-3B申告で請求
利点として、ISD登録事業体は年次GSTR-9申告書の提出が免除され、コンプライアンス負担が軽減されます。
ベストプラクティス
義務的ISDフレームワークに適合するため、企業は以下の効果的なコンプライアンス戦略を実施すべきです:
- インプットサービス取引の包括的レビュー
- ITC追跡と配分を自動化するためのERPおよび会計システムのアップグレード
- GST担当者のトレーニング
- GSTR-6申告書の期限内提出
- 定期的な内部監査の実施
本日は以上になります。
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