インド清算人口座開設について

皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本佳代です。

 

会社形態による進出は、駐在員事務所、支店、プロジェクトオフィスと比較して、業種によって外資規制があるものの事業活動に制限が少なく、中・長期で活動を行う場合は最も適した進出形態である一方、撤退が容易ではないというデメリットもあります。撤退を決議した企業におかれましては、インド新会社法の規定に準じて撤退手続きを進めていただく必要があります。

 

裁判所による清算手続きは会社が重大なコンプライアンス違反を行った場合などの例外的なケースがあげられますが、一般的には、任意清算の手続きにて行われます。また、株主総会にて決議頂いた時点で手続きを開始することになります。

 

ここで注意が必要なのは、株主総会を開催し清算手続きを開始するにあたり、会社は清算人を選定する必要があります。清算人は、業務の清算や資産の分配を行いますが、この清算人の選定後は、会社の取締役は取締役権限を失うことになります。つまり、清算人の選定以前に利用していた銀行口座から銀行取引を行うことができず、既存の銀行口座はクローズいただき、あらたに清算人口座の開設をしていただくことになります。また、RBIのレギュレーション上、会社閉鎖手続きに入った後は、清算人以外が送金・支払いに関与してはならない(つまり会社側に承認権限がないことになる)とありネットバンキングの利用はレギュレーション違反の可能性が否定できないことから、清算人が送金申込書を銀行宛てに送付し、送金依頼を行うという流れになります。

 

撤退手続き開始以後は、会社法に準拠した法定監査は不要ですが、特別監査を毎期受けていただく必要があります。特別監査を行う監査人は、過去5年以内に監査を行った監査人と同一の監査人を使用することができませんので、清算人が別の監査人を指定することになります。

 

さらに過年度の税務当局対応が未了となっている場合、訴訟中の案件等がある場合は、企業の状況に応じて、閉鎖手続きが長期化する可能性がありますので、ご注意いただく必要があります。

 

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バンガロール支店マネージャー

坂本 佳代(さかもと かよ)

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