【GST法 日系企業が注目すべきIntermediary Serviceについて】

法務

 

皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの松波優大です。

本日も、引き続きGST法における実務上の注意点を取り扱っていきます。

 

今回は、日系企業が注目すべきGST法におけるIntermediary Serviceについて、説明いたします。
前回も説明したように、商社やサービス業を営む日系企業は、
インド顧客への販売支援活動やバックオフィスサポートの提供の対価として、グループ法人よりコミッションを受領しているケースが、ございます。

 

この場合、前回説明したようなExport of serviceの要件を満たす場合は、必要手続きを踏めば、
GST非課税となりますが、Intermediary Serviceという定義に該当する場合は、GSTが課税されます。

 

前回、Export of serviceの要件を説明いたしましたが、今回は、Intermediary Serviceの要件を説明いたします。
IGST Act Section2(13)において、”Intermediary”の定義は以下のように規定されております。
「“intermediary” means a broker, an agent or any other person, by whatever name called, who arranges or facilitates the supply of goods or services or both, or securities, between two or more persons, but does not include a person who supplies such goods or services or both or securities on his own account.」

 

上記より、“intermediary”は、2つ以上の事業体(個人/法人)の間で、物品やサービス、あるいはその両方、もしくは有価証券などの供給を促進、手配をするものを指すこととなります。

ここで重要なのは、上記太文字部分、
物品やサービスが、自らのアカウント(会計)を通して提供されている場合は、Intermediary serviceに該当しないという点でございます。

 

つまり、ある事業体Aが、ある事業体Bから物品を購入して別の事業体Cへ販売している場合、
物品は事業体Aによって購入されており会計上仕入計上されているため、販売時点では物品は事業体Aに属していることとなります。この場合、事業体Aから事業体C への物品販売について、仲介機能は見られず、Intermediary Serviceに該当しないこととなります。

 

一方、ある物品及びサービスの提供について、販売時点で事業体Aに属さないとされる場合、
つまり、事業体Bが提供する物品及びサービスと事業体Cへ提供される物品及びサービスの価値や性質が同じ場合、
事業体Aは仲介者として機能しているとして、Intermediary Serviceに該当することとなります。

簡単に理解しますと、事業体Aが独立した当事者として事業をしており、2つの異なる事業体の仲介機能を提供していない場合は、Intermediary Serviceに該当しないだろうというものになります。

 

しかしながら、グループ法人へバックオフィスサポートや販売支援を行っている企業が、
GST当局から当該業務について指摘を受けているケースもあるため、そのようなサービスをグループ法人に提供している日系企業は、自らのサービスの実態を見直すとともに、グループ法人とのservice Agreementを見直すなどの対処が
求められております。

 

個別のご相談等ございましたら、いつでもお気兼ねなくお問い合わせください。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム バンガロール支店マネージャー
松波 優大(まつなみ ゆうだい)

 

 

 

 

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