【インドにおける資金調達―増資編―】

皆さま、こんにちは。デリー拠点の古川でございます。

COVID-19の影響で、資金繰りに関するお問い合わせもよくいただいておりますが、今回はインドにおける資金調達についてお話していこうと思います。
様々な資金調達方法がある中で、増資手続きの概要についてみていきたいと思います。

 

◆増資: 資本株式の発行 (資金調達の方法として最も一般的な方法)

◆使途:制限なし

◆借入期間:期限なし

◆借入金額の上限:授権資本枠内

※ただし授権資本枠を変更するときは、定款の変更が求められ、株主総会の特別決議(4分の3以上の賛成)が必要

◆現地法人の金利負担:なし

◆具体的な手続き:上場企業ではないインド会社(private company)における一般的な手続きの流れ

①授権資本枠(Authorized share capital)の引き上げ-授権資本枠を超えて、増資を行う場合は予め授権資本枠を拡大

  •  (i)取締役会の開催(授権資本枠引き上げ)-授権資本枠の引上げを決議し、株主総会の日時を決定
  •  (ii)株主総会の開催(授権資本枠の引き上げ)-株主総会を招集し、定款の変更に際しては、特別決議(Special resolution)が必要
  •  (iii)会社登記局(ROC)への届け出-株主総会で特別決議が成立した後、速やかに30日以内に会社登記局へ届け出

 

②払込資本(Paid up share capital)の引き上げ-資本金の払込作業に移る

  • (i) 株式評価(Share valuation)-ディスカウントキャッシュフロー法を用いてインド勅許会計士の証明書を作成
  • (ii) 取締役会の開催(株主割当又は私募)-取締役会を招集し、株主割当又は私募を決議
  • (iii)資本金の送金-通常の銀行ルートを通じて、会社口座宛に資本金の送金

 

③資本金払込(送金)後の手続き-着金後は資本金を活用できるように各種手続きする

 

◆資本金着金後のコンプライアンス事項:

  • インド準備銀行(Reserve Bank of India – RBI)への届け出-外国からの資金受領をインド準備銀行へ報告
  • 取締役会の開催(株式割当て)-株式の割当を決議
  • 会社登記局(ROC)への届け出-株式割当より30日以内に速やかに会社登記局に株式割当の報告(PAS-3)
  • インド準備銀行(RBI)への届け出-株式割当より30日以内に速やかにインド準備銀行に株式割当の報告(FC-GPR)
  • 株式証書(Share Certificate)の発行-株式証書を発行し、株式証書は当局で印紙税を納付し、その証書を添付

 

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古川泰加(ふるかわやすか)

 

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