インド・グルガオン駐在員の豊田です。
先週末、インド国民にとって悲願(!?)のビッグイベントであるF1グランプリが開催されました。
このF1グランプリをはじめとする、国際イベントが開催される時には、よく話題にあがるのが、その経済効果です。スタジアムの建設に数百億円投資した、数十万人分の雇用が生まれた、周辺道路をはじめとするインフラ整備が大幅に進んだ云々という話をよく耳にします。
でも、私が思うに今回のF1グランプリにおける最大の効果は、「インドが世界を知り、世界がインドを知ること。」にあると考えています。インドでは、デリーやムンバイを中心に建設ラッシュが続いており、写真上の経済発展は目を見張るものがあります。また、各種統計数値(人口構成、経済成長率など)をみても、2050年頃には、インドが世界で有数の経済大国になると経済学者・評論家などは口を揃えて言っています。
しかしながら、インドに来て実際に生活をしてみると、大抵の日本人が受ける印象は「町が汚い」ということであり、なかなか「本当にインドがNo.1になれるのか?」と懐疑的になる人も多いのではないでしょうか。道を歩けば、ゴミは散乱し、空は砂埃で覆われ、空気は動物臭や生活臭で冒されています。そして、これらの原因の一つとして「貧困」がよく上げられます。「生きるか死ぬか」の生活を行っている時に、自らの生活以外の事を考える事は確かに困難なのかもしれません。
それでも、私にはこれらの原因は全て「自分志向」に集約されると考えています。自分やその家族の生活さえ守れればそれでよしという考え方がこれらの根本的な原因ではないでしょうか?
そうではなく、「輪廻」や「前世・来世」という言葉にもあるように、「今現在の自分自身の行いが将来を決める。」ことを強く念頭に置き、「まだ見ぬ他人への貢献こそが、人生最大の幸福」であると考えていくことが重要であると感じます。
F1の開催によって、世界中の人々がインドという国を知り、一部のインド人ではありますが、インド人が世界を知ることが出来ました。F1を通じて、少しでもインド人の意識改革へ一助となればいいなと感じつつ、私自身もインド人への意識改革のお手伝いこそ、今私がなすべき仕事なのかなと、デリーの夜空を見上げながら思いを馳せています。
余談:私自身、偶然ではありますが、デリー空港にてレディガガに遭遇し、F1グランプリの影響力について肌身を持って体感しました。
Tokyo Consulting Firm
グルガオン駐在員
豊田 英孝
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