株安!!

 

プネ駐在の今西です。

 

前回までで、取り上げたテーマはインフレが2回とオクトロイが1回でした。これはクライアント様とお話しする際に良く出てくるトピックだからという理由です。

 

今回、取り扱うのもクライアント様から最近頂いた「インド経済って実はどうなの」というコメントから簡単に調べてみた事です。単純に数値を見た場合と実際に現地で駐在してみて感じる事の間のギャップもあります。

 

統計的に見て、例えば人口や経済成長率等のデータを見てインド経済の先行きを楽観視する向きもあります。もちろん、それは間違っていないのでしょう。しかし、今年に入ってから2009年から続いていた株価上昇トレンドが一服し、SENSEX2010年の11月につけた20,932ルピーから一段値段を下げて、2009年の11月から2010年の6月ぐらいまでの16,000ルピーから17,000ルピーぐらいのボックス相場となっているように思えます。

 

簡単に概観すると、株価が下がっています。悪材料として良く言われることはインフレの加速とルピー安です。テキスト的には金利が高くなると、それに好感し資金が流入して通貨高となりますがインドの場合には、金利が上がっているもののルピー安が進んでいるという状況です。また、インフレによる金利上昇によって設備投資もままならないという状況であることが推察されます。

 

実際にインドに駐在してみて、4月の中旬から勤務開始して非常に速いペースで物価が上がっているというのは何度も書いています。それに合わせてインド人の昇給を行う必要があります。その人件費の増加も重い足かせになりそうです。クライアント様も、インド人の昇給を10%としますと言って、日本本社から何を考えているんだと言われたとこぼしておられました。

 

さて、株安だけを見ていても仕方がありません。なぜインドの場合にはテキスト的に金利上昇が通貨高を生まないかという点についての考察も必要と思います。今の株価の概観に通貨の要素を踏まえた自分なりの考察はまた今度行いたいと思います。

 

今西政文

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