皆様 こんにちは
インドムンバイ駐在員の谷川です。今回もお客様から寄せられた様々なご質問にお答えしていきます。
Q:インドローカル会社とのM&Aを進めています。デューデリジェンスも終わり
現在MOU(基本合意書)にて諸条件を詰めている段階です。
現地コンサルタントよりこの後のスケジュールにConditions PrecedentとConditions
Subsequentというものがあると伺いましたがこれらは何でしょうか?
A: Conditions Precedentは日本語で「前提条件」と称される事が多いです。
一定の前提条件が満たされた時のみ、株式出資などの取引が実行される旨が合意されます。
例えば、取引実行に先立ち、対象会社による必要なライセンスの取得や公開会社である対象会 社の非公開会社への変更などです。
また、デューデリジェンスで明らかになった重要な点についても、取引の前に解決しておくべき 事項があればここに記載する事もできます。
他国では海外から出資を行う場合、事前の政府からの認可が必要な場合がありますが
インドではそのような規制はなく、事後的な手続きのみで対応が可能です。
多くの場合、取引実行条件は、売り手の義務の前提条件と、買い手の義務の前提条件に分けて 規定されます。
これは、取引実行条件の取引が実行されていないという重大な結果を導くものである以上、
売り手にとって重要な条件と買い手にとって重要な条件のみを前提条件とするのが合理的だから です。
ただ、一般的には買い手の義務の前提条件が数は多いです。
これは売り手にとっては売却代金が受け取れさえすればそれ以上
確認するべき点が少ないのに対して、新たに会社を買収するというリスクを負った買い手にとっては実際に代金を支払う前に事前に慎重に確認しておくべき点が多々あるのが一般的だからです。
さらに、このConditions Precedent(前提条件)と組み合わされるのが
Conditions Subsequent、いわゆる解除条件と呼ばれます。
成就すると法律行為の効果が消滅する事項が規定されます。
解除条件で合意をすることにより、両当事者は、一定の時期までに
これらの条件が満たされなかった場合はこの取引をキャンセルする権利を有します。
今週は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
Tokyo Consulting Firm Private Limited
ムンバイ駐在員
谷川 千裕(たにがわ ちひろ)
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