皆さま、こんにちは。
バンガロール支店マネージャーの坂本です。
今週は、インドのGSTに関連して、「コンポジションスキーム」についてお話します。
コンポジションスキームとは、日本でいう外形標準課税のように、外観から客観的に判断できる基準を課税ベースとして税額を算定する簡易版課税方式のことです。
これは、ある一定規模以下の法人に適用されますが、これまで前年度の売上が750万ルピー以下の企業と限定されていたものが、第22回GST審議会(年間売上1,000万ルピーに拡大)と第23回GST審議会(年間売上1,500万ルピーに拡大)において適用範囲が拡大されています。
この制度の適用を受けるメリットは、月3回申告が義務付けられております通常のコンプライアンスとは異なり、四半期に一度の申告のみで済むため、手続きが簡便で、毎月のコンプライアンスに係る費用を削減できることです。
一方、通常のコンプライアンスとは異なり、コンポジションスキーム適用の場合は、支払ったGSTをITC(Input tax credit)として相殺利用できません。また、条件を満たさなくなった場合は7日以内に申告して、以後通常の方法によりGSTを納税しなければなりませんので注意が必要です。
ご自身の企業が適用可能か否かについて、以下ご確認いただければと思います。
ステップ1:
年間売上が1千5百万ルピー未満(第23回GST審議会において1,000万ルピー→1,500万ルピーへ拡大)の場合、通常のコンプライアンス(月3回の申告、通常の税率が適用)とコンポジションスキームによるコンプライアンス(四半期に1度の申告、コンポジションスキームによる税率が適用)の選択適用が可能です。
ステップ2:
一定の条件を満たした場合は、コンポジションスキームの適用を受けることができます。
【一定の条件】
1 物品のみを取り扱う企業であること(サービス業は適用不可)
2 年間売上高が1,500万ルピー未満であること
3 保有在庫が州外から購入したものでないこと
コンポジションスキームの適用を受ける場合は、業種によって以下異なる税率が適用されます。
1 製造業者:売上の2%(CGST1%、SGST1%)
2 レストラン等(食料、飲料の取扱い):売上の5%(CGST2.5%、SGST2.5%)
3 その他:売上の1%(CGST0.5%、SGST0.5%)
※クレジット利用が不可
弊社では、会計・税務、人事労務、行政の対応まで幅広くサポートを行っております。
個別のご相談等ございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
今週は、以上です。
東京コンサルティングファーム
坂本 佳代
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