インド人は本当に嘘つきなのか? 石川勝俊

インドに赴任して3ヶ月目に入った。

育ってきた環境及び文化でこれほどまで違うのか?

と思い知らされる事がある。

インドに赴任している方、赴任した事のある方は

必ずこう思う瞬間があるであろう。

「インド人はやるといったことをやらない」

正直、私も例外ではなく思った瞬間がある。

「なぜ彼らは自らできる、やると言った事を守らないのか?」

 

こんなこともよくある話だ。

私がゴルフクラブ一本を持って、

ゴルフ場にオート(トゥクトゥク)でよく行く。

オートにのる前に必ず値段交渉するが、

交渉が終わり運ちゃんはオートを走らせる。

 

最近のオートは特に気持ちがいい。

風を切り、心地よい風が私の体を包み込む。

あまりの気持ち良さで、ついつい油断し寝てしまった。

 

「はっ」と気づくと「ここはどこだ?」

しかも運ちゃんもいない・・・・。

オートをおり、辺りを見渡すと運ちゃんがいた。

住民と話していた(絶句)。

とうの昔に着いていてもおかしくないゴルフ場であるが、

すでに現在地を見失っている私と運ちゃん。

 

運ちゃんが走って戻ってきた。

「Tike(ヒンディーでOKという意味)!!」

もう私は彼を信用するしかない。でも何か不安が拭い去れない。

「やはり!!」

まだ迷っているらしい。。。。。

運ちゃんは、オートから頭を出して歩行者に道を聞いている。

 

結局20分ぐらいで着くゴルフ場に、1時間以上かかった。

オートに乗る前に、

「You know that place, na?」

と確認した。彼は「大丈夫だ。」

と言った。結局、確かに場所には着いた。

交渉した値段で文句も言わなかった。

 

これを嘘つきと捉えるのか?

確かに時間に追われているビジネスマンであれば、怒り狂うだろう。

重要なミーティングならなおさらだ。

きっと「インド人は嘘つきだ」というであろう。

 

ただ私は日本でこんな経験をした。

有楽町で道に迷い、道を聞くために近くの女性に声をかけた。

「あの~。。。」

と言い始めて、私の質問を聞く前に

「結構です!」

と言われた経験がある。

どうやらナンパ若しくはキャッチセールスと間違えられたらしい。

 

分からなくても一緒に探してくれるインド人

他人と関わりたくないと冷たくあしらう日本人

(この日本人のケースは私個人の問題である可能性があるが、

そこは今回の論点ではないため言及せず)

 

一概には「インド人はこうだ」、「日本人はこうだ」

と言えないが、確かにインド人はフレンドリーで

人として温かく感じる事が多々ある。

上記の件も同じくインド人の人間性の現れかもしれない。

 

これを「嘘つきだ」、「約束を守らない」

と片付けてしまうのは非常に残念だ。

むしろ彼らの人間性の素晴らしさに目を向け、

最低限リスクだけは回避するよう準備すれば

必ず彼らとうまくやっていけるであろう。

 

私は彼らの人間性、潜在的能力を信じている。

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