インド・デジタル個人情報保護法(DPDP法)に関する実務的影響を踏まえた最新動向レポート


皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインド拠点の北岡 光里です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「インドのデジタル個人情報保護法(DPDP法)」についてお話していこうと思います。

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1. 法案の目的と全体像

インドのデジタル個人情報保護法(DPDP法)は、国民が自身のデータを保護される権利と、企業等が合法的な目的でデータを処理する正当なニーズとの間で、適切なバランスを取ることを目的として設計されたものと解釈されます。本法は、インド国内で処理されるデジタルデータだけでなく、インド国内の個人へ商品・サービスを提供する限りにおいて、国外でのデータ処理にも適用(域外適用)されると規定されています。

違反時の罰則は極めて厳しく設定されており、適切な安全管理措置を怠り重大なデータ漏洩を発生させた場合、最大で25億ルピー(約45億円規模)の制裁金が科されるリスクがあると考えられています。そのため、単なる法務上の規約改定にとどまらず、事業部門やIT部門を巻き込んだ全社的な対応が必要になると見込まれます。


2. 2026年5月現在の施行状況

公的発表によれば、2025年11月14日に「DPDP規則2025」が官報公示されたことで、企業がシステム改修等の準備を行うための「18ヶ月間の移行期間」が開始されたと認識されています。2026年5月現在はこの移行期間の中間に位置しており、インドデータ保護委員会(DPBI)の設立など一部の枠組みは動き始めているものの、一般企業に対する通知・同意取得やデータ消去などの全面的な義務適用は、2027年5月を皮切りに開始されると想定されています。


3. 日系企業に求められる実務的対応と解釈

2027年5月の本格的な適用に向け、在インド日系企業および日本本社においては、以下のような実務的・システム的な対応が求められると考えられます。

 

① 同意取得プロセスの刷新とUI/UX改修
法律上、同意は「明確な積極的行動」によって取得することが求められているため、実務においては、あらかじめチェックが入っているようなウェブサイトの仕様(オプトアウト方式)は認められず、ユーザー自身が能動的にクリックする仕様へのシステム改修が必要になると見込まれます。また、通知文書は英語を含む22の公用語で提供可能にすることが規定されているため、翻訳の手配に加え、画面上に言語選択メニューを実装するなどの開発対応が発生すると考えられます。さらに、同意の撤回を容易にするため、ユーザー画面の分かりやすい位置に退会やデータ削除のボタンを配置するといったUI(ユーザーインターフェース)の変更も推奨されます。

 

② データ侵害時の72時間報告ルールの運用
データの漏洩や侵害が発生した場合、事象の認知から遅くとも72時間以内に当局および影響を受ける個人へ通知する義務があると解釈されます。これを現場の実務に落とし込むためには、単なるルール作りだけでなく、「現地の営業担当者が端末を紛失した際、週末であっても日本本社の誰かにエスカレーションし、誰が当局への報告書を作成するか」といった具体的な緊急連絡網(インシデント対応マニュアル)の策定と、定期的な訓練が必要になりえます。

 

③ データの保存・消去に関するシステムの自動化
データ処理の目的が達成された後、あるいは同意が撤回された後は、データを速やかに消去することが義務付けられています。その際、実際の消去処理の48時間前までに本人へ事前通知を行うという要件があるため、実務上これを手動で管理することは困難です。よって、「最終利用から一定期間が経過したユーザー」をシステムが自動で抽出し、事前通知メールを送信した上でデータベースから物理的に削除するような、自動化プログラム(バッチ処理)の導入が現実的な対応策が推奨されます。

 

④ 子供のデータに対するシステム上の配慮
本法では18歳未満を子供と定義しており、そのデータを処理する際は親権者等の「検証可能な同意」を得ることが求められています。教育系サービスや若年層向けの商品を展開する企業においては、サービス登録画面に生年月日を入力させ、18歳未満と判定された場合に親の連絡先へ認証コード(OTP)を送信する「年齢ゲート」の仕組みをシステムに組み込むなどの対応が必要になる可能性があります。また、子供へのターゲティング広告が禁止されているため、デジタルマーケティング部門におけるデータ収集・分析手法の見直しも不可欠となると考えられます。


本日は以上になります。
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