皆さん、こんにちは。チェンナイオフィスの渡部です。
今回はマテリアルフローコスト会計(以下:MFCA)についてお話したいと思います。企業の製造工程等における環境負荷低減とコスト削減の両立を図るための管理会計手法として、ドイツのIMU(Institut fur Management und Umwelt)で開発されました。2000年の初めに日本に紹介され、経済産業省の主導の下、調査プロジェクト等を通じ、研究開発や改良が行われてきました。そしてMFCAの国際標準化についても日本が提案し、日本が主導してMFCAの国際標準規格の検討を進め、国際標準化(ISO 14051)となりました。
この会計手法が生まれた背景と致しましては、環境汚染問題が高まったことと同時に、企業のコストダウンの重要性が高まったためです。今となっては各企業のホームページに記載されていますCSR(社会的責任)として、多くの企業が導入しております。
このMFCAの特徴と致しましては、製造工程等で発生する廃棄物や不良品のロスを「負の製品」としてコスト認識する点にあります。原価計算上の非度外視法と似ておりますが、マテリアルコストフロー会計では、廃棄物それ自体の削減を目指し、さらに廃棄物の原価を期間原価とするのに対し、非度外視法では、廃棄物そのものの削減を目的とはせず、原価も最終的には製品原価に含める点で相違します。
MFCAをコスト削減等の生産管理の手法のみとして位置づけると、短期的な効率向上を指向するあまり、今度は環境面への配慮がおろそかになります。ここで重要なことは、マテリアルフローコスト会計の効果は、抜本的である場合が非常に多く、長期的な視点をもつことが重要なのです。
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