こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル労務について記載いたします。
前回に引き続き、就業規則、HRポリシーについて記載します。
今回は、CLT第483条が定める間接的な解雇(Demissão indireta, na forma do artigo 483 da CLT)について書いていきます。
ブラジルにおける従業員の解雇の手段において、労働法483条が規定する間接的な解雇というものがあります。労働法483条に準拠した解雇は、従業員が、企業側の何かしらの行動により、実質的に業務を続けることが出来なくなった状態に陥り、結果的に退職せざるを得ない状況における当該退職を意味し、従業員の申し出による退職においても、企業側の間接的な解雇として扱う旨を規定しています。
労働法483条によれば、以下に該当する場合において、解雇されたものと見做すとしています。
- 労働者がその能力以上の労務や法律で禁じられた労務を強制された場合
- 使用者より過度に厳しい扱いを受けた場合
- 危険な状態での労務を強制された場合
- 使用者が雇用契約を履行しない場合
- 使用者が従業員およびその家族の名誉を棄損する行動に及んだ場合
- 使用者が従業員に一方的な暴力をふるった場合
- 成果給の労働者に対して極端に少ない報酬で評価した場合
企業の運営において、知らず知らずのうちに従業員同士の関係や、マネジメントと一般従業員との関係が殺伐とし、認識に乖離が生まれることが多くあります。この状況においては、上記1~7が会社が意図せずとも発生するリスクがあります。従業員数が増えてくると、思わぬ落とし穴にはまり多額の手当てなどの費用が必要となる場合があります。従業員の雇用や解雇、日々のマネジメントについても、細心の注意が必要となります。
以上
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